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令和4年
第25回杵柄寄席 10月15日
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令和2年
第80回 2月17日
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令和元年
第79回 12月20日
狐(恵寿亭香々)ガラガラ(遊月)手水廻し(金夢)
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平成31年
第76回 11月13日
第77回 1月22日
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平成30年
第76回 11月13日
第75回 8月28日
第74回 6月25日
第73回 3月2日
第72回 1月29日
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平成29年
第71回 11月14日
第70回 8月21日
第69回 6月16日
第68回 3月14日
第67回 1月24日
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平成28年
第66回 11月15日
第65回 8月24日
第64回 6月21日
第63回 3月14日
第62回 1月22日
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平成27年
第61回 12月3日
宗論(志ん女)
第60回 11月19日
第59回 8月27日
第58回 7月13日
第57回 3月25日
第56回 1月23日
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平成26年
第55回 12月21日
死ぬなら今(恋歌)
第54回 11月15日
第53回 9月29日
第52回 7月22日
第51回 5月29日
第50回 3月25日
第49回 1月24日
提灯屋(恋歌)親子酒(金夢)悋気の独楽(夏夏)
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平成25年
第48回 12月21日
第47回 11月29日
除夜の雪(志ん女)
恋歌師、金夢師、と遊月さんが来られる予定ですから4人前(上にぎり)で29日の3時40分ころの届けでお願いできますか?
特別に稽古をとの事なんで寿司代は私が当然負担いたします。(志ん女)
第46回 10月25日
第45回 8月25日
第44回 5月28日
今日は、久方ぶりのニュフェースが三方登場、新しい血の騒ぐ稽古会となりました。
第43回 3月18日
演者は3人、欠演4.5人でした。(0.5は志ん女/稔さんです)
第42回 1月23日
昨日は、お疲れ様でした。猪、鹿、熊とワイルドな一晩でした。ありがとうございました。
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平成24年
第41回 11月15日
唐茄子屋(志ん女)蒟蒻問答(恋歌)幾代餅(芝楽)
第40回 8月27日
うだるような暑さの中、横浜からの来訪者も加わり賑やかに開催
第39回 6月22日
本業のお仕事の影響で、杵柄稽古会の大昔を思い出すように、稽古2名でした。
第38回 5月15日
不孝者(恋歌)隠しごと(遊月)欠伸指南(恋歌)
第37回 3月16日
不孝者(恋歌)持参金(金夢)火炎太鼓(小三馬)厩火事(夏夏)
第36回 1月27日
朝すずめ(恋歌)壺算(金夢)寝床(小三馬)随談(夏夏)平沢佐内(恋歌)
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平成23年
第35回 12月15日
●番外 平成23年12月15日(木)老人会館
第34回 11月28日
片棒(志ん女)
第33回 10月18日
第32回 8月30日
第31回 6月22日
第30回 3月29日
蔵前駕籠(恋歌)粗忽長屋(金夢)
第29回 1月26日
あんま(恋歌小言幸兵衛(金夢)親子酒 (小三馬)松山鏡(夏夏)だくだく(遊月)
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平成22年
第28回 11月22日
浜野矩随(志ん女)仔狸(恋歌)
第27回 10月19日
浜野矩随(志ん女)猫怪談(恋歌)三方一両損(金夢)悋気の独楽(夏夏)長短(遊月)
第26回 8月11日
髪結新三・下(恋歌)髪結新三・上(金夢)中村仲蔵(小三馬)火炎太鼓(夏夏)南瓜屋(遊月)
第25回 7月15日
武士の情(恋歌)犬の目(金夢)
第24回 5月11日
第23回 2月22日
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平成21年
第22回 12月22日
第21回 10月28日
宿屋の仇討(恋歌)天災(金夢)よかちょろ(芝楽)
第20回 8月20日
第19回 6月24 日
井戸の茶碗(志ん女)雁風呂(恋歌)粗忽の使者(金夢)天狗裁き(小三馬)居酒屋(芝楽)狐つき(恋歌)
第18回 3月26日
江戸の夢(恋歌)お血脈(金夢)
第17回 2月17日
鰍沢(恋歌)豊竹屋(金夢)天狗裁き(小三馬)いなみとお文(恋歌)
第16回 1月5日
佐々木政談(志ん女)四段目(恋歌)仏馬(金夢)
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平成20年
第15回 12月13日
佐々木政談(志ん女)肝潰し(恋歌)棒鱈(金夢)長短(小三馬)疝気の虫(金夢)
第14回 10月20日
佐々木政談(志ん女)掛取り(恋歌)三軒長屋(金夢)妾馬(小三馬)
第13回 8月16 日
秋刀魚火事(恋歌)宗論(金夢)動物園(恋歌)
第12回 6月20 日
干物箱(志ん女)唐茄子屋(恋歌)たがや(金夢)寝床(小三馬)
第11回 4月15日
子褒め(志ん女)大工調べ(恋歌)居残り佐平治(金夢)
第10回 2月18 日
千早振る(志ん女)ねずみ(恋歌)ぜんざい公社(金夢)
第9回 1月17日
抜け雀(志ん女)たぬき(恋歌)
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平成19年
第8回 12月15日
抜け雀(志ん女)もと犬(恋歌)千早振る(金夢)三十石:舟唄(恋歌)時そば(金夢)
第7回11月27日
芝浜(志ん女)鹿政談(恋歌)棒鱈(金夢)
第6回 10月23日
芝浜(志ん女)淀五郎(恋歌)双蝶々中(金夢)
第5回 8月29日
芝浜(志ん女)化物使い(恋歌)夢金(金夢)
第4回 6月22日
中村仲蔵(恋歌)へっつい幽霊(金夢)
第3回 4月24日
三十石:謎がけ(恋歌)黄金餅(金夢)
第2回 2月14日
手紙無筆(志ん女)火事息子(恋歌)干物箱(金夢)
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平成18年
第1回 12月15日
抜け雀(志ん女)欠伸指南(恋歌)時そば(金夢)
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コロナ禍でなかなか稽古会ができません。何と言っても年寄りの集まりですから。肝心の恋歌さんが巣篭もり状態です。しかし、ついに恋歌さん我慢できずに立ち上がりました。久々の恋歌評です。切っ先鋭くとはいきませんが、恋歌節健在なり。
コロナで落語と遠ざかり、久々に深川江戸資料館で、楽しみました。
金夢さん: ぜんざい公社
いつもながら、達者で安心して聞いて楽しみました。
半志楼さん:幇間腹
軽妙な語り、テンポのある語りは、プロの噺家でもいない小気味の良さです。ただ、客席とかみ合っていない。聞いていて、客席でじりじりしていました、「おい、お客しっかりしろ」2点。1点はお客様とのかみ合いで、半志楼さんの間合いに引っ張り込む、マクラでの応酬・・・金夢さんがあっためてあるので1から温めるのではなく、半志楼さんの呼吸に引き込むフェーズが。もう1点は、幇間とお客のやり取りが理解されない、難しさでしょうか。家見舞いなどでは、半志楼リズムに引き込んでいるんですから。噺の素材が、現代社会にはなくなってしまったものばかりだったりします、ディープな落語ファンは、幇間遊びなど見た事も聞いたこともなくても、他の落語から聞いて勉強していますけど。
まりもさん:音曲
いままでで、一番良かった。作らないまりも姐さんの地の良さが出ていて良かった。「うどん屋さん」のようないい素材があるといいですね。
遊月さん:お化け長屋
手堅い。楽しめる。・・・語り教室で築いた土台は伊達ではありませんね。この噺は、今の季節でいえば4月半ば以降、10月末の季節の噺でしょうから戸は開いていると思っていいでしょう。表通りの一軒家ではなく、路地裏の長屋ですから。深川江戸資料館の長屋を一度確認するといいと思います。引き戸を右手で開けるか、左手で開けるかを。
舞歌さん:亀甲縞
元は講談かなにかでしょうか、それともオリジナル。武士と団十郎の対面は、武士が上手です。当時、千両役者とはいえ、身分制度では川原乞食、最下等です。武士をお客に迎えるのに、団十郎が上手というのはあり得ません。成功美談にしては、山がないようで、勿体ない。対面して、武士が役者を上に据え、平伏して頼む。その一命を掛けた対応に団十郎が男気を発揮して・・・・とかなんとか。
アタチ稔さん:マジック
前半の円楽追悼を頑張りすぎて、マジックはいまいちかな。
右柳さん:文違い
難しい噺です。お杉が一本調子で盛り上がりが難しい。半ちゃんとは、間夫と打ち解けた雰囲気で、田吾作には、頭っから呑んでかかって歯牙にもかけない、芳次郎の前では小娘のような素直さと、三様の変化を演じ分けてほしい。
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なんとも切りのいい80回です。100回までは、3年はかかるでしょうが、頑張って参加したいものです。
夏夏 花筏 初天神
花筏
突っ込みがちの話しぶりを、鷹揚な提灯屋の親方と、どんと構えた相撲の親方の会話で、じっくりとのんびりした話しぶりに注力していただくことを狙ってお願いしました。
カミシモが、なんともで、台本をきちんと覚える事をお願いしたい。
初天神
ダイジェスト、粗筋になっていて、団子をなめる所作や、凧揚げの所作をしたい為に演るのは、いささか乱暴です。粗筋では、落語という言葉を緻密に扱う話芸の良さはでてきません。
素人落語の悪いものは、演じている人の自己満足で、周囲は面白くもなんともないものです。
杵柄会は、上手い下手ではなく、落語という江戸時代から落語家が伝えてきた伝統の技を、素人なりにきちんと継承する、守る事を心がけたいと思います。「花筏」の台本は恋歌が送ります。
ここあ 無い物買い
珍しい噺を久しぶりに聞きました。
外国人が出てくることは想像外でしたが、古典を下敷きに手を加える事は、創造の努力でしょう。
若くして大阪から東京にきて、それでいて大阪弁を揺るぎもせず東京に生き、よほど頑固なのかなと思うのですが、この柔軟さは負けました。
森乃福郎さんのCDを聞いてみると何か発見があるかもしれません。連れている男を、狂言回しやアクセントに使う工夫を考えてはいかがでしょうか。
金夢 富士詣り
6月の横浜に向けての仕込みです。
稽古会に間に合わせた噺なので、細かな間合いが気になりますが、語りこむことで、細かな間合いは良くなると思います。
風呂屋の盗みは、舟徳の「・・・なんだ、ちっとも知らなかった」の間合いでしょうか、最後の間男を山に持って来るので、途中の偸盗戒の部分を盛り上げすぎると竜頭蛇尾になるんですが、ここらあたりがこの噺の扱いのいやらしい処でしょうね。
舞歌 ちりとてちん
台本をきちんと演じることに関しては最右翼かもしれません。
ページの切れ目で、噺はきちんと終わるあたりは流石というか・・・・。
お仕事をリタイアされて、落語に割ける時間が増えてどうなるかと思いましたが、創作能力を封印して、古典落語に正対しているのはなかなかのものです。杵柄へ来た時からは数段力をつけてきていますが、原点回帰で、取り組む姿勢はこれからが楽しみになります。
お世辞・べんちゃらが表に出ず、素直に出されたものに感動を表す、嫌みが出ない男をブラシュアップしてほしいと思いますが、後段の男を聞いていないので、その対比が見えないのでなんとも・・・・。
遊月さん、ここあさんをはじめとして、女流の取り組みはいいですねェ。
恋歌 水神
志ん女さんの手術で、昨年稽古会が中断して、「稽古会命」で頑張って来た恋歌としては心が折れて、モチュベーションを戻しきれずにいます。リハビリの一環で、2010年2月23回稽古会で出した「水神」を10年ぶりにさらう事にしました。
赤ん坊を抱く所作に指摘を受け、経験のないのが露呈しました、今から作る訳にもいかず困った、困った。
迷惑をかける、笑いの少ない長い噺は体力・気力の回復まで少し時間がいりそうですが、笑いの少ない短めの噺に取り組んでいこうと思います、「猫の皿」「位牌屋」「大仏餅」あたりを4月からの稽古会を目指してみます。
稽古の後は、冬場のおなじみになった、岡山の牡蠣でしたが、やはり美味でした。
次回、4月は、シェフ・コサンバのビーフシチュウを食したい、小三馬さんの骨折以来、3年は食べていませんからね。
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桜の花が咲き始めた、なんとも心よいお日柄となり、寒さに縮んでいた身体を伸ばして元気に落語に取り組める季節となりました。仕事や私用で、お二人の稽古がなくなりました。
恋歌 京の茶漬
5月の杵柄寄席を予定していた噺がボツになり、急きょ変更で「京の茶漬」を稽古することになりました。
台本や資料集めは5年前に済んでいたので、ファイルをひっくり返し再検討。
基本は、圓生師匠と思っていましたが、京の茶漬を食べる動機に無理があるなァと思い、米朝師匠の筋立てに乗り換えました。大阪に住む江戸の商人が京都で茶漬けを食べる筋道は圓生師匠のままです。粋な、ただそれだけの噺で、本編は7分、5月までに導入部にサゲの紹介をマクラに仕込んで、15分くらいに仕上げるつもりです。「京の茶漬」は、見立て落ち、しぐさ落ち、考え落ちに分類できる、なんともただそれだけのサゲで、短くて苦労する噺で、演る人がいないなァという噺を稽古しました。
遊月 幽霊の辻
小佐田定雄さんの作。どこか民話の匂いのする、「語りの遊月」の術中の噺でしょうね。
婆さんの語りはお手の物です。着物を忘れて、洋服姿だったせいか、時代感が不明瞭に感じました、でも提灯をつけてもらっているんですから、江戸時代なんですよね。小佐田さんが枝雀さんに作った噺なので舞台が大阪の地名です、これは適当な名前の村に変えた方がと思ったりします・・・・・上方落語を聞いたことのない人には、江戸の近くのどこかの田舎と思われてノープロブレムかもしれません・・・志ん女さん、金夢さんご感想をお聞かせください。この手の噺は、遊月さんのお手の物ですね。
金夢 首提灯
小粋で、でも難しい噺です。
「あたま山」を急きょ変更しての「首提灯」で、仕込みの不足は致し方のないところ。親子酒では見事に酔っぱらっているのに、仕込み不足だと見事に素面の酔っていない酔っぱらいでした。仕上がった噺しか聞いていない金夢さんの稽古途上の噺を聞く貴重な時間でした。
恋歌 宿屋の仇討
稽古会で沈没した小三馬さんの「宿屋の仇討」。5月の深川の杵柄寄席のトリです、稽古されるかなと思っていましたが、大分のブランド黒豚が届いて料理方に専念。恋歌も6月の横浜にぎわい座のトリで「宿屋の仇討」を演るので、さらっておきたかったので、お耳汚しに稽古させてもらいました。
93回稽古会ということは、90本の噺は稽古してきたわけですが、ここ2,3年に覚えて稽古した噺は、再度演る時は、一から覚えなおすくらいの取り組みが必要です。稽古会の始めた頃や、学生時代に仕込んだ噺は、台本を見直すくらいで口から出てくるから不思議です。
ボケた方は、さっき食べたご飯を覚えていなくても、むかしむかしの話は覚えているそうで、「そうか」と思わず納得しています。この「宿屋の仇討」は、大学4年も卒業公演に選んだ噺で、しっかり稽古した噺なのでありがたい事にスラスラと出てきます。加齢の怖さは、記憶と活舌です。「かっ、かっ、かっ、かっ、かっ、かっ、かっ・・・」と大きな声を、人のいないところで出してみてください。つっかえるようだと、加齢注意信号です。声だけではなく、あごの下の肉がたるんで、美容の上からも大問題が始まろうとしています。人気のないお風呂場とかで、密かに活舌対策をいたしましょう。気合をきちんと入れていないと、金夢さんからのご指摘の通り、活舌が緩みます。自宅でひとりで、緩い稽古をしていると、活舌の鍛えにはなりません。活舌の点検と記憶の確認においでの皆様の多大なご協力に感謝いたします。金夢さんのご指摘の点は、本番では丁寧に演ります。
半志楼 素人義太夫
半志楼さんは、「寝床」ではなく、「素人義太夫」だとえらくこだわっていましたが、「寝床」も「義太夫」も出ていないんですから、そんなにこだわることもないと思いますが?あれだけ高速おしゃべりができると加齢の活舌問題はありませんが、世間の並のしゃべる速度になった時が半志楼さんの加齢問題のはじまりでしょうか。「速さ」と「丁寧さ」が、半志楼さんの真骨頂ですね、あぶらげやがんもどきの製造法の丁寧さにはじまり、言い訳の細部の丁寧さを、あの高速でこなしていく、うらやましい。
この会のメンバーの個性の豊かさは、財産ですね。
稽古の始まりを今年から1時にしています。稽古の終わり具合で、4時ころから反省会に入れるので、帰りの時間も早まり、現役世代には申し訳ありませんが、年寄りには健康的な気がしています。
次回の稽古会は5月下旬です。
シェフの小三馬さんの骨折事故で、シェフが本気で料理に取り組むことができませんでしたが、5月の稽古会はこのところ幻となっていたビーフシチューの登場になります。志ん女さんからお誘いがありましたら、即刻申し込まないと入場制限になるかもしれません。落語を演る方は、もう稽古しかありません、気合を入れてお稽古しましょう。
5月の稽古の申し込みは、恋歌「位牌屋」 遊月「麻のれん」 舞歌「試し酒」 半志楼「船徳」がすでにエントリーされています。
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稽古の予定が多いので早めましたが、2名が多いと遠慮されたので、結果早く終わり、第二部へ早く入りました。4時から、お酒が入ることになりましたが、終了時間が繰り上がり、遠い方も比較的のんびり帰宅していただくことになりました、怪我の功名で、次回から稽古開始を早目にして、帰宅時間も早めにのんびりしていただけるようにしようかと思います。お仕事を終えて、第二部参加の方には不都合かもしれませんが、主目的は稽古ですので、なるべく休暇を取るとか、調整を取るとかしてお稽古から参加お願いします。
第二部は、岡山の寄島の牡蠣が主役、小三馬シェフ、志ん女調理師ほかの皆さんで美味しく調理していただくことができました。
夏夏:子別れ
夏夏さんのご自分の会でおろされたネタは少し本が荒いような気がします。
落語ファンの耳に知れ渡った噺は、元の噺を忠実に演じていただく必要があります。「堪忍袋」「かんしゃく」と最近のものは、金馬、文楽の元にしっかり取り組んで、骨太に演じ、夏夏さんの持ち味を生かしています。圓生師匠の「子別れ」の丁寧な演出にもう少し忠実なトレースをお願いします。年に1本、しっかりと取り組んでください。
5月頃の稽古会に、恋歌も「位牌屋」をやります、取り組みについてご検討ください。
恋歌:三味線栗毛
11月の稽古会、時間切れでできなかった分、熟成期間をいただいて、余裕をもって演じられたかなと思います。
4月の桜丘寄席で勉強させていただきたいと思います。
金夢:夏の医者
六代目圓生の「夏の医者」が定番ですが、例によって枝雀版の金夢バージョン。軽やかに、肩に力が入らずに聞ける逸品に仕上がっています。手に火種を載せて、煙草を詰めて火種を移す仕草が気になりましたので後日。
談吾:七福神
もう一ケ月慣らして稽古会に出してほしいと思います。言葉が詰まることも含めて稽古不十分です。稽古会の利用の仕方としてはそれもありです、でも、談吾さんの経歴なら、「これ」で出してほしい。「紺田屋」も稽古会と桜丘寄席の出来とは別物でしたが、出来るのですから詰めてほしい。不十分で、人物の色分け、気分の盛り上がりが平板すぎて、本の素読みと金夢さんから苦言が呈されました。日大落研OBですから、稽古会の翌日、舞台OKまで熟成してほしい、出来るのにやらないのは手抜き?
ここあ:江戸荒物
この方、鹿鳴家出身の教室系って本当ですか。まァ、遊月、舞歌、小遊、遊若、安芸と、教室系出身の芸達者が、私たちの周りには大勢います。
噺はメリハリと言いますが、ハリハリで元気よくバイタリティ溢れ、お客様を飲み込んでいく勢いです。素人の江戸荒物は、大阪人の無理無理の江戸言葉がなんとなくくすぐったいのが多いのですが、うまくこなして達者です。本物の江戸っ子がしゃべる江戸弁、本職がやっても不自然に感じます、ここあさん、十分ですよ。
舞歌:みそ豆
この人は、あふれる創造力で噺を作り上げていく。どうも、出典は絵本らしい。昔、大昔聞いた、三枡家小勝師匠の「みそ豆」の記憶をたどると、熱い煮えたみそ豆を食べる仕草でお客を楽しませたことが思い出されます。その辺よろしく。それと、今どきのトイレは、ドアを後ろに座りますが、長屋の厠は、扉を前に座りますから、現代人の感覚ではドアが後ろの意識ですが、この噺では、ドアを前に座るので、定吉が戸をあけると、旦那と目を合わすことはノープロブレムです。厠の便器と人の向き、江戸時代と近代、どこで変わったのか、TOTOにでも聞いて調べてみますか。みそ豆ごとき小品と侮っていると痛い目にあいますねェ。
舞歌さん、問題提起ありがとうございました。
稽古を回避した、右柳さん、その後の相談で、11月の桜丘寄席で、双蝶々の上下で、右柳・金夢で演ることになりました、7,8月の稽古会で二人の稽古が出ることになりました。
おなじく、半志楼さんの「あたま山」は、まりもさん、舞歌社中を巻き込んでの音曲噺になる事になりました、2月の桜丘寄席頃に集中稽古になりそうです・・・お楽しみ。
次回は3月ですが、1時か2時ころ開始で、4時ころから第2部ということになります。奮ってお稽古参加をお願いします。恋歌は、「ざこ八」でエントリーします。
第2部は、九州日田の物産で展開するか、シェフの骨折で長い事お預けになっていたビーフシチューか、検討してご案内申し上げます。
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いつもより早くに集合して、2019年版カレンダーのケース詰め作業を行ってから、稽古会。なんと、木製さんが、父君手製の手打ちそばを持参いただき、てんぷら蕎麦を食べてからという前代未聞の出来事。いやぁ美味しかった。お陰でカレンダーのケース詰め作業はあっという間に終わりました。来年も、木製さんの美味しい蕎麦が食べたいというのが参加者の圧倒的な声でした。
一番手
金夢:素人鰻
金夢さんが生まれて初めて、八代目文楽師匠のネタに挑戦。
完璧といわれる文楽師匠の至芸は、勉強しても、デッドコピー、ミニ文楽といわれる難物中の難物。さすがに、金夢色を出してお見事。前回の稽古会で稽古が多くてできなかったのでトップに廻ってもらいましたが、今月は本業に加え、余技の「織の会」のイベントなど多忙で、稽古が追い込めなかったそうで、ぜひ、ひと踏ん張りを期待します。金が、酔いが回るあたりは流石、あと酒乱で人が変わるところを追い込んでもらいたい。
恋歌は、文楽師匠の本には手は入れられないと信じ込んでいる方で、やはり、禁酒したはずの金が酒に手を出し、しくじるところは二度入れることで、主人の苦痛と覚悟が光るような気がするのですが。
芝楽:仇の首
さすが、杵柄ネタで、昔の技は生きてるもんですね。お見事なお手並みです。星新一先生の新作らしい、面白みはあるが、深みはない、そんなお噺でした。軽妙な味で、12月の席にはふさわしいお噺、さすがの選択ですね。
半志楼:尻餅
この方の軽妙と、金夢さんの軽妙はプロにも見当たらない秀逸。尻餅のような噺はこの人をおいてこなせる人はいない・・・・・。
おこわは、まくらで振って仕込み落ちにするしかありません。江戸から昭和40年くらいまでの常識は、いまとなっては、特別な知識の分野になっています。番台のない銭湯の時代、「湯屋番」が消えるのもやむなし。
夏夏:位牌屋
演劇界の重鎮が、杵柄会ごときでウロウロされることもないと思うのですが、杵柄会の落語に加わっていただいているので、演劇人の余技で終わってほしくないのでお願いをイロイロ致します。落語の登場人物に過剰とも思える表現が一人芝居臭いところが花伝亭でのおしこみか気になっています。
演劇人の演技力を活かしてほしいネタとして「堪忍袋」を取り組んでもらいましたが、素人には難しいオーバー目の演出を見事にこなしてくれました。次に、舞台で見せてもらった抑えた(控えめの)演技を要する「かんしゃく」を取り組んでもらいました。親子の情感を抑えた演出で、やればできるじゃありませんかと見せてもらいました。(サゲはもう一工夫いりますので、一度稽古につきあってください)締めくくりは、抑えたケチの主人の老獪な会話を期待して「位牌屋」をお稽古願いました。
昔のオーバーアクションで、ケチとはいえ、大店の品格をもった主人はどこにも見られず、ぎゃぁぎゃぁ騒ぐ品のない親父がでてきて、大店の主は出てきません。とつとつとたらしこむ老獪な主人で再挑戦お願いします。「癇癪」では、節子さんのお父さんでしっかり落語してたではありませんか、あの登場人物で、「位牌屋」の主人をやってください。
5月の杵柄寄席で「子別れ」をご希望ですが、以前の稽古会での「子別れ」はボツです。圓生師匠の音源をお渡ししています。つつましい暮らしの中、精いっぱい子育てを頑張るけなげな母が、ぎゃァぎゃァ怒る母親の「子別れ」では、杵柄の高座に上がっていただくわけにはいきません。芯は強いが涙もろいやさしい静かな母親、抑えた芝居の「子別れ」を年明けの稽古会で聞かせてください、それで判断させてください。
小三馬:星野屋
色っぽいしたたかな噺に挑戦ですね。ご本人も入り切っていないとおっしゃっていましたが、踊りの稽古から逃げていると、18、9の徒な女を演じるのは難しいかもしれません。年明けの踊りの稽古・・・・・お茶会とぶつかって無理か。カミシモが、小三馬さんと夏夏さん、ちょっと怪しいところがあります、再考願います。
番外
遊若:皿屋敷部分
審査員の手元を見ながら、おかしな部分をチェックしようという芸の細かさにはビックリ。変な幽霊の手つきに、二度、ビックリ。今どきの寄席で噺家さんの芸を見ることが少なくなっているからでしょうか、応挙の幽霊画などを見てもサウスポーというのはないでしょうね。下手でも、まずくても、一応本職の芸は見るようにしましょう。しかし、審査員の噺家さんも、喋りだけではチェックしきれないから、技術点と芸術点、完成度とわけてチェックし始めたかな・・・・
ここあさん、談吾さん、時間切れでお稽古できずすいません。
1月の稽古会では、わたくしの稽古と最優先でやっていただきますのよろしくお願いします。近々、次回の稽古会のご案内を差し上げます。でも、自分の稽古がないと気が楽だなァ、病みつきになりそう。
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お稽古の多い稽古会でした。
2時からに始めましたが4時間ミッチリで、少し疲れました。熱心にお稽古されると、拝見する方もしっかり見ようと力が入ります。
舞寿:平林
倍蔵さんのご依頼でお預かりした方ですが、お仕事の切れ目や諸々で、お稽古が進んでいません。口慣れてきましたが、落語口調ではありません、高座百遍、語り込みあるのみです。白酒師匠のビデオで口調をコピーでも真似でも稽古しましょう。次の稽古会まで頑張って、その後、お客様の前で冷や汗をかいてみましょう。
遊月:看板のピン
久しぶりの古典落語?。いやァ力がみなぎる人情噺「看板のピン」でした。意欲の空回りでしょうか。隠居は若者が博打に振り回されてはいけないという老爺心の善意の発露です。そこで厳しい言葉の中にもそんな気持ちがにじみ出れば。後半は影響されやすいおっちょこちょいの我らが落語界のスターの登場で、親父さんの貫禄も何もない、軽薄な真似で失敗に至る・・・を楽しく演じましょう。
木製:舟徳
今時の落語ファンはお気の毒です。見本となる芸がお粗末ですから、お粗末な芸を見てその半分の芸だとすれば、名人気の万分の一と言う事なってしまいます。杵柄會の貴重なところは、名人芸を見て最高の芸の記憶を持った人間が寄り集まっていると言う事でしょうか。是非、登場人物の年齢、他の登場人物との人間的関わり、職業・経歴などを整理して紙に記述してみましょう。書くことで気が付くことも多いはずです。芝居でも書割、絵コンテがありますが、登場人物の舞台上の配置を書いてみましょう。そうすることで、演じる時に、話す相手の距離関係が明確になり目線も定まります。聴き手は、演者の目線・声の大きさで、その当事者の位置関係を把握できるのです。
近頃、ゲームにしてもビジュアル表現が凄くて、プレイヤーの想像力が衰えています。NHKが落語家の噺にあわせて役者が演じて、昔は聴き手が頭の中に描いていた世界を見せるという企画で好評を博しました。あれはあれで功ありですが、構想力・空想力の日本人の衰えは情けないものです。妄想系の「湯屋番」「野ざらし」が寄席では受けない時代の様です。
木製さん、至高の桂文楽の「舟徳」、古今亭志ん朝の「舟徳」をご覧ください。所作が粗いのと、多くて煩わしいのが気になります。所作は最低限で美しく、言葉は大事に・・・頑張って見てください。
ここあ:青菜
日にちを間違えて、遠路2時間遅れでおいでいただきまして、頭が下がります。
上方の噺「青菜」を、軽妙な上方言葉で聞かせて貰うと安心します。昔、五代目松鶴師匠で聞いた時に、無骨でガサツな雰囲気の松鶴師匠の旦那の風格に感心させられたものです。後半の長屋はお手の物でした。稽古会、たくさんの目で見ることは大事です。所作は何となく気になっていたんですが巧みな噺の運びにひきづられて、左手での所作の指摘に・・・・う〜〜ん。あきらかにぎっちょ以外で左手で誤魔化してはいけません。
半志楼:代脈
ここあさん、半志楼さんのなめらかな口跡には、安心して聞いてしまいます。半志楼さんから事前に所作の疑問点や、時代の中での扱い・所作などを質問されていると、チェックの網が粗くなります。
ここあさん、半志楼さんには、人物設定の確かさがあり、所作も最低限で、噺の邪魔にもなりません。良いと思います。
恋歌:三人旅
サラ口の噺を勉強しようと取り組みました。最初はよくある三人旅だったのですが、品川の四代目円蔵の型の「三人旅」を聞いて取り込まれてしまいました。金夢さんの軽妙を煎じて飲めればいいのですが、演者に余裕があって楽しんで演じなければお客様は辛くなる噺です。
最近になく稽古はしたんですが、稽古会の雰囲気に久しぶりに呑まれました。馬子と江戸っ子の人物像が明確で、夫々に相手を呑んでからかってやろうという、馬子業を、旅を心から楽しんで演じなければなりません。宿のお内儀さんの、噂好きの女性魂、下の者には叱言三昧というキャラクターを演者が楽しまなければなりません。稽古会の皆さんの視線に、相手を呑んで楽しむ余裕を失いました。
人情噺系の噺だと、噺の筋立てで押し切れるのですが、軽妙は・・・・難しい。
はち好:木津の勘助
語り込み不足です、しっかり追い込みましょう。地噺は稽古会には厳しいな。
軽妙が苦手の口で、人物描写も避けたいと我が儘な事を言って、それじゃァ地噺かと、この処地噺づいていますが、逃げてばかりじゃいけません、次回の噺は、落語らしいものをしっかり勉強しましょう。贈り物を出す時、包みをいきなり出すのではなく、右脇から持って正面、相手に差し出しましょう。娘の事を話す女性の手つきはそれらしく・・・日焼け対策もよろしく。
次回は、今回時間都合で稽古しなかった金夢さんの「素人鰻」、小三馬さんの「星野屋」と右柳、芝楽師匠も名乗りを上げています。奮ってお申し込み下さい。
次回は11月上旬を予定しています。稽古がいくつ入るか判りませんが、次回の集合は10時ないし11時を予定しお昼を用意します。これは昨年から始めた杵柄カレンダーのセット作りをお願いするためで、当日はゴムの指キャップをご持参ください。寄る年波で、スマホの画面も指先の渇きで反応しなかったり、カレンダーの12月の紙を扱うときに指の油成分・水気の減少を感じさせられます。当日の作業に参加された方には、カレンダーを1組差し上げます。
あと、ご希望の部数は、9月末までに、恋歌までお知らせください。お値段は決まっていませんが、昨年は1部300円でお分けいたしました。物価も上がっておりませんし、多分・・・。よろしくお願いいたします。
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東京の気温が32度、熱心な稽古と人いきれでエアコンも効きづらいくらいで熱の入った稽古でした。
恋歌:廓の蛍
舞歌さんが「吉原手引草」から創作の「廓の蛍」。廓言葉のお手伝いで、初稿の時からおつきあいしました。男性演者が中心の従来の落語から、女性演者の語りを意識して工夫や、苦心をする舞歌さんを脇で見てきました。男演者目線の噺はどうだろうと、割と早い時期から意識してきました。二稿、三稿と磨きをかけ完成の域に達して一段落。・・・・・舞歌さんに許可を得て、江戸の「吉原手引草」から大阪へ行ったものを再び江戸に連れ帰ってみました。
金夢さんから、舟漕ぐ仕草が気になる、もう少しゆっくりするか、櫓に手を置いて漕がなくても・・・噺をする方も気になって、首尾の松あたりで船を泊めて語りに入ることにします。
吟醸さんから、舞歌さんの元には、亭主が様々な扮装でやって来て笑わせる処があって良かったとのご指摘でしたが、この噺、大阪から持ち帰る時に落としたみたいです。
ここは、原作者の貴重なご意見を
まず。いいなと思ったのは、やっぱり、男性の部分は男性がやるほうが深みがでるな、ということ。私は原作がわかっているので、色んな、付加情報、飾りだとか、場所だとかが全部わかりました。それらが、情景に奥行きが出ていました。昨日はお稽古だったので、当日とは違うと思うのですが、この噺は、場面をかえず進むと語りが続くので、飽きさせないようにしないといけない。そして、誰もが聞いた事がない噺。ということで、一つの道具、場所、何か説明するのにも、上手くいえないんですが、例えば 「赤くて、小さな、かんざし」というのも、「この、かんざし(かんざし部分は声を張る)、ほら、赤くて小さな」と、まず、何かってのを先に言わないと、聞いてるほうがついてこれないだろうなと。言ってたのかもしれませんが、昨日は、その、キーワード的なフレーズと補足的な部分の差が、声の張とかカツゼツ?とか間?なのか?があまりなかったので、刷り込まれ辛く、ストーリーを理解するのが少し難しい人が出てくる気がしました。
もう一つは、笑い。場面が変わらないので、金魚のくだりとか無くてもいいのですが、ご隠居の方がもう少しコミカルで、滑稽な部分がないと、聞いていて辛いかもしれないと。昨日は、恋歌さんに笑顔が少なかった。喜怒哀楽の激しさみたいなものもで、ほっとしつつ、ドラマティックな部分もありつつの、その、落差みたいなものが、息をすう(笑)、吐く(しんみり)みたいなものと同期するというか、語りだけで行く場合は、もっと必要なのかもなーと。
他は、船が、やはり、もう倍遅いほうがいいというのと(私も指摘されたんです。最初。早いと、動きが気になって噺のさまたげになると。)、場面が変わらないので、出来れば、錨を下ろして停めるとか、なんかあったほうがいいかもなと。というのは、最初っから噺の中に入れた人はいいんですが、とりもれた人、聞き逃して興味なくなった人が、また再び聞こうとする気にさせる、なにかきっかけみたいなのが、あったほうがいいかもなと。オチはとても、綺麗でした。江戸弁、いいですね。そう、この噺は、もともと、吉原なんですよ(笑)。なか・・・言いたかったですねえ(笑)。
舞歌さん、ありがとうございました。いろいろ、修正します。ただ、笑いですが、「しじみ売り」「大仏餅」など、笑いのない噺もあるので、そのジャンルの噺に納めさせて貰おうかと思います、旦那の科白でクスグリ・工夫は頑張ってみます。ありがとうございました。
木製:中村仲蔵
骨太で正攻法な落語やる珍しい人がやってきました。大学の落研なら二年生でしょうか。落語の面白さも解って、聞いてきた面白い噺に飛びついたところでしょうか。
杵柄會は、その噺の由来、噺の時代背景、噺の中の技芸について、下地をこしらえて、その上に噺を作るというような、無駄とも思える仕事をやっていただきます、昔は大変だったのが、吟醸さんの「落語の舞台を歩く」のお陰で、下調べの過半は済んでしまうので、有難いのですが楽をすると身につかない点は問題です。
声は大きくて良いのですが、高止まりで一本調子、声を小さく、大きくのメリハリをつけることで更に噺は聴き手に伝わりやすくなります、良い財産を持っているので生かさないのは勿体ない。仕草が粗雑、普段の仕草と芝居の仕草があるので、メリハリのある仕草をしないと何とも言えない。芝居の処は仕草をしないというのも手ではあります。地名の柳原は「やなぎわら」。お岸の生家は、長唄の名手の家ですから、仲蔵の大阪に行っている間は、「子供衆に長唄を教えて・・・」で、・・・昔のそういう家の生まれですから、踊りも教えられたか知れませんが?三代目中村仲蔵の「手前味噌」を読むと色々役に立つと思います。
今落語をやる方は、中村仲蔵だと、生だと雲助か、志の輔を聞くくらいしかできません。どちらも、正蔵、圓生を聞いたものからは聞くに堪えないものですが、それしか聞けない、今の落語界、つらく、厳しいものがあります。それしか聞けない方はお気の毒です。私自身は、正蔵師の仲蔵をやりますが、圓生師匠の手前味噌を完璧に下敷きにした「中村仲蔵」に、憧れもありやってみようと思っていました。正蔵師匠と圓生師匠の「中村仲蔵」は、原典は同じであっても、噺としてはまったく別物だと思います。正蔵師匠の仲蔵を腹からだそうと、ここ3年ほど演っていません。今日の議論のなかで、夫々の仲蔵の噺の主題が何かと言う事を改めて考え直すことが出来ました。名人仲蔵の苦心の心情に焦点を絞った正蔵師匠の仲蔵の良さを改めて見つめなおすことが出来ました。圓生師匠の仲蔵は諦める事にしました。秋の桜丘で正蔵師匠の「中村仲蔵」を演るぞ・・・・。
金夢:お化け長屋
この手の噺は、いともあっさりとこなしてくれます。すこし、粗いような気もします。でも、圓生版がすべてじゃァありませんし、志ん生・志ん朝が絶対と言う訳じゃありませんからね。軽い噺を、軽く聴かせる、金夢さん、半志楼さんは羨ましい。
舞歌:地獄八景
舞歌さんの通しの確認を聞かせて貰いました。鳴物が入って誤魔化すというのはありますね。鳴物なしで通してはいますが、エピソードごとに、メリハリがないので、平板な羅列です。鳴物抜きで、素噺でエピソードのつながりが、スムーズでエピソードごとのメリハリを確認するのは、実に意味のある事だと思います。まァ、昨日は基本機能の確認と言う事で伺いました。
談吾:紺田屋
この方は、実に変な噺を、杵柄の右柳、恋歌と言えども避けて通るような噺をなさいます。わたしも、自己陶酔してこの噺はいいと演じて、金夢さんからこっぴどく酷評され、涙を呑んでお庫に入れた噺は数知れずです。噺に惚れこむというのは、周りが見えなくなって危険な事があります。
談吾さんの「紺田屋」は、自己陶酔、完結編でした。頭から尻尾まで、淫隠滅滅、一本調子で何が主題で盛り上げる処が何処かも見えず、聞く者の心を悩ませます。
東京の圓歌さんのものは、いまひとつだが、大阪のものが面白いから・・・という前宣伝に期待したのですが裏切られました。思うに、舞歌さんの鳴物抜き地獄八景と同じで、鳴物抜きの素噺になって、調味料抜きの上方版「紺田屋」になって、墜落されたのではないでしょうか。ハッピーエンドで大団円に終わらない「紺田屋」は、桜丘寄席では「NO」ですね。本を練り直すか、プログラムは印刷できていますが、「もと犬」かなにか差し替えるか・・・・・。
次回の稽古会は、8月です。芝楽さん、夏夏さん、右柳さん、はち好さん、半志楼さん、そろそろお稽古しっかりお願いします。
わたしは、サラ口を勤められるように、「三人旅」(四代目、品川の円蔵バージョン)と、自己陶酔で没になることを覚悟の自作の一席の計二席頑張ってみようかな。
お稽古のエントリーは、7月末までにお願いします。申込数、噺によっては、2時開始、1時開始もご連絡いたしますので。
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金夢:ふぐ鍋
いま、稽古しても高座に掛けられるのは今年の11月、持ち根多豊富な余裕ですね。台所の位置は、家の大きさで変わります、この噺の舞台のお家は大きい方のお宅でしょうね。ふぐも、野菜もポン酢をつけていただいてください。しかし、調理師免許のない時代は、ふぐも命がけだったんですね。草フグは、毒がありません。「キタマクラ」という恐ろしい名のフグは、どう調理しても死にます。
閑話休題
学生落語の4年間というのは不思議なものです。
1年生は前座、2年生は二つ目、三年生は真打ですが、噺家さんの50年の人生を凝縮して大学生活の中で体現しています。1年生の時は、可笑しなことを言っているのに、間がわからない、聞く人の姿が見えていないと七転八倒。3学期くらいになると、なんとなくお客様との間合いも判りクスグリをふんだんにいれたくなる。
2年生、二つ目の時は、寄席で聞いてきて仕入れたクスグリを目一杯入れ込んで、およそ品はないけれど、受けてナンボという。
3年生の真打と言う事になると、寄席でも年配の枯れた芸を味合うようになり、時代にあわないクスグリを掴みこまないようになってくるから不思議です。
4年生になると?????
そんな落語の遍歴をした杵柄連のしょうもない集まりが杵柄會ですね、はい。
ここあ:紙入
元のテキストから、悩ましいもののようでした。時代も何も関係ない不倫の噺か、間男という言葉が存在した時節の噺か・・・今時の三、四十代の本職の噺家ですら、この辺の節を判ってやっているのか怪しい輩がぞろぞろいるので、悩ましい。
江戸の紙入と違った、上方弁のニュアンスが出せれば面白そう。ま、もう少しもんでみましょう。少なくとも、不義密通で民法で罰せられた明治以前の時代設定で考えると、新吉は20歳から25歳まで。旦那(兄い)は三十代半ば、おかみさんは27,8から31,2まで。村の渡しの船頭さんが今年六十でお年寄りだった時代ですから、いまはアラフォーでも女性は花盛りですが、この時代では三十前でしょうか。ちなみに、吉原の女郎の定年は28才くらいでした。
英語落語から落語の世界に入ったという、変わり種(杵柄世代の感覚ですいません)、いちど、英語落語も演じてくださいませんか。
恋歌:たばこの火
1か月でどうなるかと思いましたが、入る事は入りました。入ったと言う事で、障子をふすまと言ったり穴はそこかしこに。やっぱり、「鼻欲しい」を稽古しておけばよかったかな。最後に、「たばこの火」と言うだけの為に前がある噺で、江戸時代のお大尽の散財や、料亭・芸者・幇間を侍らせて遊ぶさまを描いて、それこそ、思い描くことも難しい・・・笑いもほとんどない・・・でも、こんな噺もあるんですね。5月まで、語りこんで磨いてみます。
舞歌:初天神
舞歌ワールド炸裂です。杵柄會へ来た頃は、もっと違っていたのですが、「動物園」のあたりから、埋もれていた才能が活火山のように爆発して開花したようです。創作力は、「英国式ドッグスクール」を創作し、吉原手引草からは、「廓の蛍」を生み出しています。
いま、NHKで落語ザ・ムービーという、古典落語をビジュアル化して、想像力の衰えた現代人の知性教育の面白い番組があり、耳で聞いて、頭の中にその噺の時代や舞台を創出しずらい現代人にビタミン剤となっていますが、舞歌さんには、我々がイメージする世界とまた違う世界を創出する稀有な才能が隠されていて、どうやら開花したようです。
昔からある「初天神」と同じ世界を別な親子が自由自在に闊歩しています。クレームと云うか傷と云うか、舞歌初天神の親子が羽織を着ていくと云うのも面白いですね。
露店の賭博というのもちょっと?、ひよこはブロイラーの生産で不要な雄のひよこの捨て所ですから、昭和も30年代後半いこうでしょうね。しかし、舞歌ワールドは、どらえもんのどこでもドア感覚で、細かなことは言わなくてもいいんでしょうね、きっと。カルチャー教室育ちの落語とのクロスオーバーは、杵柄世代の小父さんたちには悶えさせるものがありますが、切磋琢磨ですね、宜しくお願い足ます。
6月の稽古会では、恋歌は舞歌さん作の「廓の蛍」を稽古してみようと密かに思っています。
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世の中、インフルエンザの大流行、大寒気の襲来の寒さの中、暑い稽古ができました。
個人的には、七〇席目の噺を稽古することができました、お付き合いいただいた皆様にお疲れ様でした。人間、いくつまで生きられるのか、呆けずに生きて行けるのかが、忍び寄る不安の恋歌です。
「わ会」で拝見した、80歳になって落語を始めて、84歳で山本周五郎の小説を人情噺にして口演された方に迫りたいものだと思っています。呆けは本人が気づかないもので、私がダメな時は、稽古会で引退勧告をして下さいと金夢さんにお願いしてあります。
今回、稽古の後のお楽しみは、すっぽんとご案内しましたが、時期が悪く、調理予定のすっぽんの大量の凍死と云う事故で、急遽、「鰻のすきやき」に変更になりました。猪の猟師の不調に端を発し、すっぽん、鰻と変わりましたが、あの鰻をすき焼きで食するというぜいたく、後藤さん(大分日田の料亭の主)ありがとうございました。生き残ったすっぽんのお吸い物、おじやは美味でした、感謝、感謝。
右柳:替り目
右柳さんにしては固すぎる、酔っ払いが醒めて酔っている。やっと覚えて仕上げまではいっていない、稽古中と聞いて一安心。稽古会で完成形に近いものとは欲ですが、そこは稽古会で叩かれるのも精進の内です。
志ん生が究極の形でしょうけれど、敢えて馬生、円遊に置いて勉強。今は距離がありますが、縮めてくれるでしょう。
小三馬:宿屋の仇討
長編大作です。登場人物が多く、武士、宿屋の伊八は人物設定も容易だけれど、江戸の三人組は、注意しないと誰が誰だか判らなくなる、三木助、柳朝の噺の中では三人が描き分けられている、ここを一番注意すると噺がスッキリ仕上がります。稽古序盤で、言葉が荒く、現代語交じり、身分の言葉不鮮明。この方の「締め込み」の稽古の時と、現在の高座での口演は、全く別物ですが、この噺も高座に上げる時は別物になっているでしょう。
この日は、稽古が立て込んでいましたし、自分の稽古も前だったので遠慮しましたが、3月の稽古会では、「宿屋の仇討」をさらってみたいと思います。
恋歌:百年目
岡山の旧友が見に来るという緊張の中、破綻なく終えたと思ったら、大昔、「掛取」でやったと同じ、肝心の処をこそっと落としました。宿屋の仇討や百年目など40分を越える噺は、稽古するにも時間がかかる・・・当たり前。芝居のようにシーンごとに切って練習する手法があれば教えて下さい。過度の演出は、登場人物を歪曲してしまいます、人物の色が出なければ噺がぼやけます、あとひと月稽古してからが賞味時でしょうね。
百年目はやりたいと思っていても機会はないものと思っていましたが、金夢さんの噺暦30で四月に「百年目」があり、これは演るしかないと始めて、前の稽古会から2か月の期間で、まァ頑張った方でしょうか、4月の本番に向けて精進します。
次回の稽古会は3月2日正味1か月内ありません、新しいものを選ぶとなると・・・「鼻欲しい」でいくか?
金夢:包丁
この方の軽妙は見事としかいうしかない。米朝師匠の「持参金」を聞いても、えげつない、グロテスクな噺だと思っていましたが、実に爽快な噺に聞かせてくれた。この「包丁」は圓生師匠の極めつけで、難物、手に出せる噺ではないと思いながら、田毎のお家元が、『「八重一重」稽古してあげるわよ』と言われて、台本を作り、準備に掛る矢先に、1月の稽古会で金夢さんが、「包丁」をやるという。
文珍の「包丁」を下敷きに軽妙な「包丁」でお見事。ただ、師匠の所へ上がり込んで酔いがまわる経過、唄いながら口説きにかかる一連の仕草はもうひとつ丁寧さ、工夫がほしい。圓生の「包丁」とは別に、いい「包丁」が手に入りました。
談吾:「一文笛」
この方は、生来の真面目さと、落研を卒業して、真っ当な社会人として過ごされてきた人生を表して、落語よりは、「稲川」やこの「一文笛」のような噺が自然で、人にあっているかも。
会友・遊月さんの「一文笛」には、華がある。(噺に華があるのか、演者に華があるのか判断にはむずかしいものがありますが)演者によって、噺が違って見えると言う事は演者の個性がでていることで良としましょう。
半志楼:鹿政談
噺暦30で五月は「鹿政談」。恋歌、芝楽、半志楼と演者がいて、芝楽さんは一年前に「鹿政談」を出しているので候補から脱落。今日の半志楼さんが良ければ、桜丘寄席の五月は「鹿政談」をお願いするテストマッチ。七代目円蔵譲りの確かな芸で、高速落語の半志楼さんが、交通法規を守って安全運転の「鹿政談」でした。爽やかなお奉行のお見事なお裁き、5月の高座はよろしくお願いいたします。
今日は、それぞれ充実したお稽古で、中身の濃さにくらべて、疲れ・疲労感はありませんでした。
次回は、3月2日(金)です。2月は28日ですからひと月ありません。今日、お稽古に出なかった方のお稽古よろしくお願いいたします。
稽古の後のお楽しみは、今日の稽古に来ていただいた小川さんのお世話になる瀬戸の牡蠣コースです。小三馬シェフが、足の金具を外す手術で、身から金具をなくし、金持ちでなくなります、その術後で心配はありますが、健闘をお祈りしましょう。殻付き牡蠣とむき身の牡蠣をお願いしてあります。
加齢に弱気な今日この頃ですが、ミスはありましたが、2か月で「百年目」をなんとか通せたことに感謝です。角々だらけの番頭さんも幾らか柔らかくなってきましたが、稽古不足はご指摘の通りで、頑張って4月まで番頭さんのキャラを磨きます。稽古の末の高座目指して、各々方精進・精進。
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稽古会に先立って、今年から始めた平成30年版噺暦の内職が大仕事でした。
表紙から12月までの帳合い、プラスチックケースへの収納、袋詰めと、慣れない仕事に汗も出ました。
ご購入者への品揃え、配布会場への仕分けなど無事完了。はち好さん購入分は12月桜丘寄席会場で手渡し予定。
「右勝さん」→右柳、「遊月さん、吟醸さん、くりのみさん」→恋歌、「小遊、遊若、小夏、安芸、豆蔵、やすさん、エミちゃん、うらん、かえんさん」→舞歌さんとさえの助さんの寄託。
私も、友人、お世話になっている方へ送ろうと、今朝の散歩で、ヤマト運輸と郵便局へ寄りました。
ヤマト運輸 コンパクト便 ボール紙ケース、ボール紙箱(小型)で、ケース、箱代65円+送料494円=559円しかも、送料は関東地区ですので、それ以外や島しょ部は高くなります。
郵便局 カレンダーの入る軽めの封筒で 140円
スマートレター ボール紙のコンパクトケース 180円
クッション封筒 ビニールクッション付き優れもの 285円+送料140円=425円
私は、スマートレターの180円で行こうかと思っています。
さて、稽古会
さえの助「七段目」
歌舞伎ファンのさえの助さんの七段目、興味津々。緊張なさっているのか出だし、テンポが早い。芝居のマクラ、芝居好きがその気になっているので、思いっきりその気で楽しくやってください。芝居の所作は、芝居好きのさえの助さんの期待を裏切って今ひとつ。見るのが好きから、振りを真似る、道端の犬のしっぽを踏まえるところまでがんばりませんか。
【噺と時代】
先日の遊月さんの「隠し事」で羽生結弦選手をチラッと使い、クスグリに使いました。受けを狙う、笑いをとりたい、で時代ミックスのグチャグチャは、素人のお家芸、下手な二つ目・真打にもありますが。
「時代の固定」その噺の性格・品格を大事にするには重要、「時代を無視」だくだくなどでは、金庫から一万円札の束があったり、液晶テレビがあったり、長押に槍があったりで、荒唐無稽の馬鹿馬鹿しさに目くじらを立てない噺、お血脈、死ぬなら今、地獄八景など、元々、地獄そのものに行ったことも、見た事ない処が舞台ですから、時代設定する事すら不可能な噺です。思いっきり楽しんでしまえば良いと思います。
「七段目」ですが、この噺は昔は、芝居のキチンとできる噺家さんが、ある人は声色まで似せて芝居を見せる、見る方も心得て、おッ、乙な事をと見たものです。当今は、見る方に素養が無い、演じる方は芝居ができない、そんな時代の素人は、「おい、芝居もしらねェのか」と気取って押すか、「私も貴方も、芝居知りませんよね」と遊ぶかでしょうね。
夏夏「かんしゃく」
カミシモが逆。元の台本の書きようがまずかったのかな。動と静の対比がこの噺の見せ方のポイントでしょう。すべての登場人物が動では、聞く方も演じる方も疲れます。
主人の横暴振りを楽しく見せる:動
父親が娘の様子を見抜いて厳しくも優しく対応する:静
父親が怒り、時に涙し、手を前につき、身体を前後する・・・これは全くダメ、夏江さんの押えた静かな得意の演技そのままで行きましょう。全体に加熱した演技は、桂文治(平治)の悪い処がすべて乗り移ったかと思わせます、下手な噺家とは付き合わない方がいいのかな。小三治、圓太郎、金時あたりがやっていますが、動と静は皆同じです。かけ違いのボタンを戻すだけで、夏夏さんにはできる噺だと思っています。
恋歌「亀田鵬斎」
どこから、探して来たと云うような噺です。最初から最後まで笑う処はなくて、江戸から明治に寄席にあって、大正以降絶滅したタイプの噺です。古速記には、こんな噺が山のようにあります。思わず、クスリと笑いがひとつある、小圓朝の「欠伸指南」でしょうか。芝楽さん、右柳さんにはテキストを送ります。
金夢「御慶」
カレンダーの表紙を飾る落語です。面白いけど長い、サゲがどうにも稚拙だと言う噺を20分にまとめ上げたのはお見事。軽妙さが持ち味の金夢さんならでは、くどく臭い笑いになりがちなところを、爽やかにサラリは流石。
舞歌「書割盗人」バージョン不明
以前の稽古会や高座で聞いた噺は何処にも存在しない、バージョンのだくだく。金夢さんの軽妙さ、舞歌さんの発想力、小遊さんの創作力、まァ真似のできない才能にはただ憧れるのみです。下敷きにあんな噺があったっけという、別物と言っていい佳作です。
さえの助「やかんなめ」
これも古速記にあって、最近妙に出てきた噺です。さえの助さんとして掌中の珠とした噺でしょうね。舞歌さんさえの助さんと千葉の落語会頑張ってください。
次回は一月、忘年会のころに日程をご案内いたします。
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年寄りの風邪は怖いを実感しました。火曜日に喉がヒリリとするなと思って医者に行き薬を飲んで静養しようと医者に行きました。木曜日には、咳がひどく、更に咳止めの薬を追加で貰いました。土曜日から、それまでなかった熱が出て、8度2分まで上がりました。お陰で6日間、文七元結の稽古ができませんでした。症状としては落ち着いてきたように思いますが、明朝医者に行ってきます。
そんなわけで、明日の稽古会は欠席させてください。自分が稽古で頑張って熱を出してもいかず、お聞きの皆さんに文七熱をださせてもいかずデス。「赤飯の女郎買い」聞きたかった。
上記のごとく恋歌さんは鬼の霍乱で欠席。したがって批評はありません。和気あいあいと稽古した日です。以下は本人またはみんなの感想です。
源平:当人曰く大失敗。30年前と同じでは地噺はモチません。約30分
袈裟御前:要練習。約20分
赤とんぼ:時間が長いので短縮版をみんなが希望。約30分
強飯の女郎買:つゆがたれるけど、どこに挟むのか?、約20分
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まァ、ラッキョウ効果でしょうか、包丁砥ぎ効果でしょうか大勢の参加者と、大勢のお稽古で結構な一日でした。くじ順で
夏夏:子別れ
三木助、文楽、圓生、(正蔵)、小さんの台本は、基本は一字一句たがえず覚えて下さい。
芝居の台本は、次の役者への科白の受け渡しがありますから、一字一句キチンと覚えることを教えられた思い出があります。落語は、すべての登場人物を演者一人でしゃべりますから、セリフが多少違っても、次の科白の受け渡しで困る事はありません。
三木助、文楽、圓生、(正蔵)、小さんの科白は綺麗な下町江戸言葉や、職業(武士~大工)言葉を喋っているので言葉、語り口をきちんと覚えることは、その後の噺に役立ちます。残念ながら当代の噺家さんの落語言葉、江戸言葉は聞くに堪えない物が多いのですが、そうした方々の本を直すのにも役立ちます。
三木助、文楽、圓生、(正蔵)、小さんの台本には、言葉の無駄がありません、その役の人物の言葉をきちんと喋り分けています。どうぞ、基本を大事に、まずは丸覚えしてください。
舞台の位置の設定をしっかりお願いします。そうすれば亀ちゃんを見る番頭さんと熊さんの目線は同じところに行くはずです。子別れは三度目の正直をお待ちしています。
圓生⑥ 69 NHK名人選 0:38:25 1969/1/17 東京落語会
圓生⑥ 76 三遊亭圓生 0:24:08 1976/5/28 東横落語
可楽⑧ 58 可楽全集 0:25:45 1956/2/7 文化放送
可楽⑧ 59 NHK名人選 0:23:45 1957/6/8 NHK
小文治 稲田祐次郎 24:13 東宝名人会
志ん朝 44 落語研究会 0:39:21 1982/10/28 TBS
志ん輔 46 落語研究会 2012 5 23 TBS
小三治 59 落語研究会
子別れの音は、以上のようにありますが、圓生師匠の東横落語会の24分のものが最高だと思います。
私見ですが、子別れ(子は鎹)は、25分で良しとします、志ん朝39分、志ん輔46分、小三治59分には蛇足が多すぎる、長いのが尊い訳ではないように思います。
長くするのは容易ですが、短くするのは、肝は絶対外してはいけないわけで、難しく注意が必要です。
寄席の12分から15分に縮めて演じる噺家さんはご苦労な事ですし、中にはセンスを疑われる方もいらっしゃいます。
さえの助:やかんなめ
落語を演じるようになって短い日数で達者な女性が多い中の御一人ですね。
勧める人も進める人だが、演る人も演る人ですね。でも、「初音の鼓」「やかんなめ」は、昔、本で読んだときはやるべき噺ではないと思っていましたが、存外、面白く見せて貰ったり、聞かせて貰ったり、楽しませてもらっています。
さて、上下への疑問です、手元に以下の3本の「やかんなめ」があり、見てから稽古会報告をまとめたので、偉い時間がかかりました。
やかんなめ 小三治 落語研究会 30 2014 8 17
やかんなめ 喜多八 芸賓館 24 2015 12 1
やかんなめ さん弥 一朝一席 22 2013 5 19
落語の舞台設定の基本は歌舞伎です。
舞台中央に下女を伴ったお内儀が癪で倒れています。
下女1 下女2 お内儀
〇 〇 〇
花道から侍が供を連れて出てきます
ベク内 侍
〇 〇 これを下女が認め相談して下女1が舞台下手へ走ります
ベク内 侍 下女1
〇 〇 〇 侍が承諾してお内儀の下へ
ベク内 侍 お内儀 下女1 下女2
〇 〇 〇 〇 〇
めでたく回復して女たちは花道へ去ります
ベク内 侍
〇 〇 サゲとなります。
芝居の舞台はこうなります。
小三治師匠は、まさにこの通りに、ベク内や下女の駒かな動きもあります。
喜多八師匠は、お亡くなりになる前の録画で座ったまま出囃子で、始めは気息奄々気味でしたが終盤は芸の力でしょうかしっかりと演じていました。
お内儀〇 下女1〇 下女2〇 上手を見て ベク内〇 侍〇
女三人が舞台中央に居て、上手から侍が登場するには寸法が無い、昔の両花道の舞台なら可能?
ベク内〇
下女2〇 サムライ〇
下女1〇 下女2〇 お内儀〇 お内儀〇 ・・・・やかんなめ
ベク内〇 侍〇 サゲとなります。
さん弥さんは、喜多八師匠に同じで、侍が扇子の刀に手を掛ける喜多八師匠の所作も無し。
今時の50歳未満の師匠方の上下は怪しいものが多く、見る気力すらなくします。
歌舞伎を見ることは、長屋の建物や、登場人物の出入りなど基本的約束事を勉強することが出来ます。
小三治師匠は、流石だと思いました。喜多八師匠は、お亡くなりになる寸前の事で。さん弥は、所作すら怪しく勘違いか知らないかでしょう。
さえの助さん、どうぞ上下についてご一考下さい。
侍の早飲み込みの繰り返し、笑うな、泣くなの演じていない登場人物(言葉の紹介だけで演者は演じていません)の姿を想像させて笑わせると、演者は快感ですね。
芝楽:お若伊之助
先日の杵柄寄席の「幾代餅」は、芝楽さんの出色の出来だと思いました、思い入れが強すぎず、抑え気味の描写が日ごろ押し気味のアクの強めの演技を消して、素直に聞く人の胸に沁み込む「幾代餅」だったと思いました。(ただ、トリだから袴をつけたのは、幾代餅にはそぐわないと思いました)
一皮むけた芝楽さんの学生時代の復活根多「お若伊之助」です、語り出しは「うゥむ」とうならせるなめらかで抑揚の効いた鮮やかなもので、流石に杵柄根多と思わせました。
しかし、その流れの一本調子が最後まで続いて残念。頭と道場主と伊之助のやり取りからは落語の真骨頂の軽妙なやり取りから、種子島へ盛り上げる運びがないと、落語「お若伊之助」は何処へ、出来のいい講釈で終わってしまいました。
この噺、右柳さんもやります。なにしろ、半志楼、右柳と手練れが加わり根多は重なりが多くなり、金夢さんも「佃祭」に参入したり、厳しい環境になっています、おのおの方、ご油断めさるな。
番組編成の上では、根多は、根多数の多い人は後回し、根多数の少ない方の根多は優先して編成を心がけておりますのでご安心ください。では、と言って安心せずに増やす努力はお願いします。
金夢:佃祭
佃祭は長い噺で、江戸から明治初期にかけての時代、長講が出来ることが真打の値打ちだった頃、頭を付け、しっぽを付け、あんこを入れした結果が、金馬師匠の「佃祭」に落ち着いたものではないかと想像されます。
そこで、金夢調理版「佃祭」、すっきりとまとまりました。
あんこのはみ出したものから、すっきりしたものまで品揃いが出来ました。
遊月:モモリン
大阪KARA向けの「モモリン」。短縮版と聞いて居ましたが、何処を切ったのかわからず、中に入る学生さんが出なかったことは判ったのですが・・・。という事は、このバージョンも今後独立して、出し物となるという事ですね。達者なものですね。
恋歌:質屋庫
小柳の帯と竜紋の羽織が記憶途絶。稽古をしているときに何事もなかったのですが、言い訳します。
皆さんの噺にしっかり注視し意識を集中した結果、記憶の欠落が生じた・・・単なる老化現象・・・ハイ、その通りです。
質屋庫は演じて疲れる噺ですが、演じて楽しい噺です。サゲが難解なのが玉に瑕です。
談吾:団子坂奇談
聞いた事のない噺で、今村信夫や東大落研の落語事典を調べてもない、聞くしかないと・・・。
「腕喰い」の移植か、サゲだけ取った創作か、わかりません。
日頃の談吾さんと違って落ち着き払った口跡は、流石、昔鍛えた賜物、年は取っても腕は錆びさせぬと見えました。「稲川・関取千両幟」なんかが合うんじゃないかと思いました。
しかし、芝楽さんの「お若伊之助」じゃありませんが、登場人物を活き活きと演じて落語ですから、苦手な与太郎を避けて、本寸法の落語の方でもうひと頑張りしてください。
「団子坂奇談」ですが、8月の桜丘寄席は、別の話でお願いします。
大阪の「腕喰い」も決して気色の好い噺ではありませんが、上方弁の荒唐無稽さに救われますが、「団子坂奇談」は、人口に膾炙した「もう半分」「藁人形」と違って、いまひとつ。ご再考ください。
舞歌:書割盗人
才気あふれる舞歌さんですが、その才気をコントロールするのが難しいようですね。
想いの強さが、時間制限と言う枠の中で、噺の方向性を誤ってしまったのは、昨年の「紺屋高尾後日談」と同じようですね。想いよりは、時間内でテーマをどう表現するか、「想い」か「つもりか」、二兎を追うと虻蜂取らずになりそうです。「つもり」を追いかけ、落は「恋」?
8月の稽古会楽しみにしています。
で、8月の稽古会ですが、
8月21日(月) 14時から
半志楼さん、お休みですからお稽古よろしく。遊月さんのご主人がお仕事で外食されますように。恋歌は、平成11年第33回稽古会で稽古した「文七元結」を稽古して、10月の桜丘寄席を目指します。奮ってお稽古願います。
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芝楽さん、夏夏さん、半志楼さんと急用でお稽古キャンセルになりました。
恋歌:六尺棒
出来のいい漫才の掛合を聞くような、親子のテンポのいいやり取りが命ですが、追い込み不足。本編は10分くらいで伸ばしようもないので、程の良いマクラで辻褄を合わせないと。
走る仕草を修正・・・考えてみると走る仕草ははじめてだった。勉強、勉強。
活砲偽:長屋の花見
ご本人は山形弁が気になるとおっしゃるが、それほどイントネーションなどは気になりません。噺は、喋る言葉で、侍か、商人か、職人かがわかり、声色で人物表現をするのは評価されません。下敷きがゆるいようで、そこに手を入れてほしい。仕草が少しオーバーなので工夫して欲しいところです。初天神は、小三治が底にあって言葉はしっかりしていました。
金夢:居残り佐平次
7,8年振りに、蔵から出してのすす払い。なかなか、大根多はやる機会がありません。私にはこの噺は、圓生しかありませんが、良い時の談志が下敷きで、聞いて居て談志は良かったのに、どうして年を取るごとに拙くなったかと思いました。いい「居残り」を久しぶりに聞きました。
談吾:道具屋
考えすぎでした。学生時代に「お前は与太郎はできない」と言われたトラウマがこの年になっても出るんでしょうか。落語は通常の生活する人間の戯画化、カリカチュアライズですから、積極的に大げさにして笑いをさそっていいのではないでしょうか。自縄自縛のなかの与太郎は? のびやかに天真爛漫に楽しんでほしいですね。
今日は、参加者が久しぶりに少なくて、岡山から届いた牡蠣は、実が大きくてプリプリで、エリンギと牡蠣のソテー、牡蠣フライ、牡蠣鍋と沢山たべて、WBCを観戦しながら楽しいひとときを過ごしました。
次回は、5月、多分。後日ご案内差上げます。
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活砲偽:初天神
落語歴8年、三遊亭圓馬門
楷書の初天神でした。完成度の高い、練れたものです。
小三治のコピーが仕草の端々までしっかりできていました。年寄りからは、さん治(小三治の二つ目の名前)のコピーは予想外でしたが、自分たちの若き日は、圓生や文楽のコピーだったことを思えば、当代第一は小三治と考えれば納得。真似は時として、悪い部分を誇張してしまうので、所作をもう少し抑えて、活砲偽さんの子供、八五郎を演じてみてはどうでしょうか。
古い方では、先代三升家小勝、先代馬生のほのぼのとした音があります、聞いてみては。
恋歌:緑林門松竹のうち新助殺し
圓朝作の続き物人情噺のお稽古は、これを最後に当分演りません。たぶん。六代目圓生への追慕です。
これからは、老人クラブで演れる、「六尺棒」「雑排」など、軽いもの、舞歌さんの渾身の力作「廓の蛍」なんか勉強してみたいなどと考えています・・・・。
半志楼:鮑熨斗
人それぞれに持った才能がありますが、半志楼さんの軽快快速、金夢さんの軽妙洒脱は羨ましい。
軽快なテンポで遠慮会釈なく引っ張っていく力は脱帽。鮑熨斗ははまっているんですが、他の噺では滑る事があります、稽古で自分のものとして消化吸収している差なんでしょうか。追求していきたいところです。
金夢:らくだ
ついに、落語界の大物噺が杵柄会に登場です。火屋に行くまでが3~40分ですが、サゲまでで30分にまとめました、お見事。
切る処を切っていますが、坊主にするところを松鶴風に食いちぎっていましたが如何なものか。酔って酒乱の本領を発揮して逆転して屑屋の久さんが、兄貴分を脅す、「床屋へ行ってカミソリ借りて来い」「俺は知らねぇから貸してくれない」「嫌だの何だの言うならかんかんのう…」の方が、面白いと思いますが如何。ここんところ、「らくだ」のなかでも好きなんですよ。それまで顎で使っていた兄貴分がおたおたしてね。
小三馬:死神
お茶の稽古で脳細胞がお留守だったんで、骨のある噺を仕込むのに手間取りましたか。脳細胞は筋肉と違って使わないと劣化は速いみたいですよ。
噺の序破急、軽く流す処、しっかり聞かせるところの区別が、記憶作業に手間取って平板でした。本番に強い小三馬と言われますが、本番までの語り込みで、噺の序破急を調整する技の巧みさですね。どこに本番を持って行きますか。
夏夏さん、「堪忍袋」、稽古してくださいよ、どうぞご遠慮なく。
終了後は猪鍋。腕のいい猟師さんが引退して、皮つきの猪肉は今回が最後だそうです。皮+脂+肉を堪能しました。鹿と猪の燻製もまた美味ではありました。感謝。
次回は、3月。岡山の牡蠣尽くしなら、3月の10~20日の間になります。出荷時期が20日で終わるんです。日取りは早く決めてお知らせします。
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今回は、色々な事があった稽古会でした。
金夢 【半分垢】軽い噺を軽くさらりと仕上げておりました。
杵柄會では、金夢64席、恋歌74席と稽古の根多数では、二人で頑張っています。その持ちネタを披露するだけの席は無く、稽古しただけ、また、お客様の要望で根多に偏りもあり、稽古のための稽古、稽古だけの噺となり、モチベーションのアップ、維持に苦労もします。
恋歌は、稽古会の観覧者は、落語の聴き手としては最高の方々と思って、ここを一期一会と「操競女学校」「塩原多助」「緑林門松竹」等々に命を懸けて頑張っています・・・ここらの噺で、表の席でできた噺は数えるくらいですが、本人は納得の上頑張っています。今回、右腕打撲で骨にひびが入り「緑林門松竹」のうち「新助殺し」はできませんでしたが、1月の稽古会では頑張ります。(誰です、「新助殺し」と聞いて、今回欠席したのに、それじゃ何にもならないッてのは)
金夢さんは、これ以上噺を増やしても仕方ないし、演りたい噺もそうないしと、軽い逃げの噺を稽古していましたが、心機一転、落語界の超大物「らくだ」を1月の稽古会に出すと決意表明・・・こうご期待。
舞歌 【親子茶屋】上方の大根多に挑戦。これは千一夜社中と言うハメモノの強力なスタッフなしには考えにくい大物中の大物です。中抜きという、噺の中どころのダレの部分を除いて、序盤、終盤の肝の部分を集中練習、なにしろ、会社を休んで午前中は我が家で特訓という熱の入りよう。
前半、親子の掛合の間合いは稽古不足。上方漫才の間合いの好いセリフ回しでお願いします。
後半のお茶屋の場面は、仕草・所作とも見ていない部分は修正願って、12月後半の初板に向けてお稽古、お稽古。
今回は、志ん女さんの「井戸の茶碗」、恋歌「緑林門松竹 新助殺し」と1時間半はあったのですが、志ん女さんが、今回のメニューの予定の鹿に逃げられ、鱈料理に初挑戦になったため、稽古をパス。恋歌は思いがけない負傷のため稽古をパス。そのため第2部が異常に早くなりました。
怪我の功名で、会全体も早まり、遠方の帰宅の方もかえって良かったり、次回からは稽古は2時に早まるかもしれません。
今回は、活砲偽さんが初見参、着物をお召だったのでてっきり稽古だと思いましたら、稽古無しで残念でした。
次回は、新年会が第2部で、1月24日(火)を予定しています、みなさんの予定表にご記入を。新年会は、「しし鍋」になっていますが、今回鹿に逃げられたこともあり、第2部については後日ご案内を差し上げます。
稽古根多は、金夢「らくだ」、恋歌「緑林門松竹 新助殺し」が、あくまでも」予定です。
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半志楼:大工調べ
こんなに硬い半志楼さんを始めてみました。
大工調べは、誰でやるか、本選びが難題です。好いとこ取りをすると散漫で冗長になってもたくなります。短くて、半志楼さんの日ごろの軽妙が生きそうな大工調べ、三木助師匠と二代目の柳好師匠の台本を送ります、桜丘で音をお渡しします。
小三馬:締め込み
珍しい根多です。久しぶりに聞きました。あとは、語り慣れでしょう。文楽師匠を聞いてみるとのことですが、「締め込み」=文楽という趣がありますから、聞いてダメを押して仕上げて頂きましょう。
恋歌:緑林門松竹のうち女占者
圓朝物に一年取り組むと三年前、塩原多助、牡丹灯籠と勉強して緑林門松竹をやる予定でしたが、圓朝師匠の後半の作品と前半の作品では、心理描写の精緻さがまるで違い、塩原・牡丹灯籠で疲れ果て、緑林門松竹はお蔵入りしていました。圓生師匠の「女占者」のお関の豹変を演じたくて勉強してみました。
その豹変がまずいと、厳しい指摘に、自信稽古していて悩んだところだったので無念の涙。次回稽古会では、豹変の所から、「新助殺し」に取り組んで、挽回を期そうと思います。
はち好:西行
落語は好きだけど、性格が硬すぎて、落語には向いていない可能性のはち好さんですが、まずは教科書を正攻法に攻めてきました。人物のフラを演じる事のない噺なので狙いは当たった気がします。西行の次々の修正に表情曇らせたり、めげたりの表情は秀逸、やればできるんじゃないですか。講談ならば十分ですが、落語の地噺はそこに、はち好さんを出す必要があります。一工夫がんばりましょう。皆さんもクスグリのアイデアをはち好さんへメールしてあげてください。
金夢:夕立勘五郎
まァ、こんな噺をよくもまァここまで立派にしましたね。草葉の陰で志ん生師匠が喜んでいる事でしょう。
浪曲演芸史をまくらに、噺を膨らませた技は、落語への愛情の賜物ですね。妙に現代を持ち込んでいじったりする人が多い中、この人の、決して落語を壊さず、茶化さず、新しさを巧みに持ち込む才はいいなァ・・・。
容旦:看板のピン
杵柄稽古会で、シビアな場面に遭遇して誤った恐怖感を抱いて、古典落語を避けようとしていた容旦さんです。
なんとなく、避けて通りたい、出来ればやりたくなかったと言うのが見え隠れする緊張感のある高座でした。べつに、命を取られるわけでもないので、杵柄稽古会に馴染んで楽しめるようにしましょうよ。妙な警戒感や緊張感のある高座で、親分の貫禄が感じられずにこじんまりとしていましたが、後段、オウム返しで失敗する若い者には、呪縛から解かれたか、活き活きと勢いが戻って良かった。所作が小さいという指摘がありましたがその通りです、壺はしっかり、実は親分とあとの若い衆では振り方に違いを出して貰う処です。
と、今回は、3時から6時までミッチリ稽古、あとはシェフコサンバの美味しいビーフシチュウを中心にしたお料理の数々楽しいひと時を過ごしました。
次回、66回稽古会11月15日(火)3時より後のお楽しみは、蝦夷鹿のステーキ 北海道直送の逸品です
お稽古の申し込み待っています、恋歌は緑林門松竹・新助殺しでエントリー。誰です、緑林門松竹がなくて、蝦夷鹿だけだといいのになんて言うのは。第66回稽古会でお目に掛りましょう。
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今回から、金夢さん特製の順番抽選機により出番が公平に決まるようになりました。
その栄えあるだ一番手は
芝楽:猫の災難
いつもながら、手が空中戦をして落ち着かない。しゃっちょこばった素人芸も困りもの、手の動きが気になっても噺に集中できない。「一人酒盛」「猫の災難」は、酔っていく過程が見せ場なのでその辺はしっかり計算して欲しい
小遊:辰巳の辻占
8分バージョンというので、池田向けかと思いきや、素人向け、入門向けとの事。粋な噺過ぎて舞台の理解、サゲの理解が難しいのではないでしょうか。「寿限無」「子褒め」が無難かな。辰巳は、江戸時代は深川八幡界隈(現在の門前仲町)大正前後からは、いまの東陽町辺になるかもしれない。
古典苦手意識が災いか、すこし、杵柄稽古会でもんでみては?古典の言葉の言い回しが苦手なのかな。
金夢:紺屋高尾
芝楽さんが6月の桜丘で、「紺屋高尾」を回避したので、急遽金夢さんの登板となった。
よく聞きこんでいる噺で、金夢さんは先輩のサリバンさんの紺屋高尾を、私も志ん女さんの紺屋高尾を学生時代稽古から聞いて、耳タコの噺なので過半は入っている、5,6月の過密な出番から考えて、よくまァ、ここまで仕込みましたと云う出来でした。流石。
舞歌:太夫高尾
創作の鬼才、舞歌の取り組みいかに。
想いの推敲には時間不足か、紺屋高尾を高尾の側から見たストリーという事でした。
純朴な紺屋職人に心を奪われる部分が華なのでしょうが、その急所が弱い。とりあえず、6月の桜丘寄席は「茶漬幽霊」(こちらの「三年目」)に変更。
金夢さんも変更ですが?
恋歌:紋三郎稲荷
熱演続きで、講評が白熱、もう第二部の時間でしたが、本編も短く無難な仕上がりで終了。駕籠かきの棒の担ぎ様は要注意。
談吾:安兵衛狐
紋三郎稲荷、安兵衛狐とやり手の無い噺二題です。淡々とした仕上がりですが、華が欲しい・・・噺からは望むのは?
人物のメリハリ、偏屈の人柄、安兵衛の人物、戯画としての味付けで人がふくらみ、噺もふっくらとするのでは。
久々に熱のこもった稽古が出来ました。
半志楼さんが、休暇旅行から帰るやいなや来場してくれました。
また、川島さん・扇華恵師匠の同窓生、ラジオ深夜便アンカーの遠藤ふき子さんもギャラリ参加華をそえてくれました。
料理は、志ん女さんの孤軍奮闘、お疲れさまでした。
家内の漬物を出し忘れて、むくれられて、次回から漬物はなくなります、スイマセン。
次回の稽古会は8月・・・・・日取りは追ってご案内します。
恋歌は、「緑林門松竹」に挑むつもりです、長くて暗くてご迷惑をおかけします。奮ってお稽古、ギャラリーの参加をお願いいたします。
料理版は、小三馬シェフが登板予定で、今度こそはビーフシチュウ?
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雨の降る寒い日でしたが、大勢ご参加いただき熱のこもった稽古会でした。
半志楼:愛宕山
文楽、志ん朝亡き後、聞くことも無くなった噺です。
カワラケの投げて飛ぶさまを追う目線と間はそれなりの時間を取って欲しい(稽古会では間が取りずらい)。
茶屋のおばさんとは、距離があって良く、遠目に話をして、舞台の広がりを出してほしい。
「おい、繁」は声を潜めて。「おい一八を呼んでやれ」の時、個人的希望ですが「一八にィさ~ん」と黄色い声が欲しいです。長い縄は、指一本で指し示す所作で。
完成度が高く、余裕で4月の桜丘でトリをお願いしましょう。
遊月:モモリン
新作は、初めて聞くと、噺に集中して評がおろそかになる。古典落語と違って、幾人かの演者を聞いて居て、比較の上であーだ、こーだが言えないので、伺い置くにとどまってしまう。いたしかたないか。
ハナコの系統で、現代を切り取って風刺の効いた噺で、未来に残る感じはしないが、現代を切り取って面白い。
「長短」でちりとてちん賞を受賞し、「もう半分」を快演した、遊月さんが最近見かけない。しばらくの間、新作の世界で遊んでもらいましょう、早く飽きて帰ってきてほしい。
金夢:笠碁
ついに、笠碁が杵柄に出ました。何時か誰かがやるだろうと思いながら・・・。
前回の蜘蛛駕籠から一転して、キチッと納めた辺りは流石。60代半ばの気力・体力が羨ましい。
小圓朝師匠の芸談から
三代目小さんから玉井の可楽、そして小圓朝と伝わった、三代目がよかった。
小さんのは目がいい。被り笠をかぶって来るのが見える、こいつが、入りたいから呼んでくれりゃいいと言う気持ちでゆっくり歩いてくる、そいつを、いつはいってくるかてんで、わくわくしながら目で追う・・・・
「へぼッ」の一言で、入ってくる。傘を被って…忘れちゃう、片っ方も傘を被っているのに気が付かない、もう夢中で。水が垂れるんでひょいと顔をあげてみると被り傘を被っている。で、「被り傘ァとんなよ」…いい噺です。
夢中になっている人間を切り取って笑いに誘う、本当に末枯れたいい噺です。
三代目小さんの領域に行くには、眼で追うなかにワクワク感を入れて、やはり、碁盤に集中してふと顔をあげるというあたりじゃないでしょうか。
遊若:池田屋騒動
元は講談、小朝の口演がもと。
口跡の良さで押し通して聞かせます。講談でもなく、小朝節でもない、中々我が道を行くのは難しいけど押し切っています。
もっと軽い噺にしたほうがというご意見が多いのは、「新選組」マニア向けならそのままでよくても、一般向けに高座の機会を増やすならという親心で、近藤勇の首切りは池田屋の琵琶の一件に絡んでそうかなと思いますが、池田屋騒動、新選組始末記で地噺で笑えるものにするとひろがりと再演の機会はかぎりなくひろがりそうです。
可愛い女の子ですから、子供のころにチャンバラとか、剣道をしたことが無いでしょうから、刀の扱いの所作は軽やかに逃げた方がいいでしょうね。
昭和の落研世代と違う新世代素人落語の隆盛の秘密の一部を見せて貰った、そんな池田屋騒動でした。
恋歌:お文さん
濃密な稽古会で、追い込み切れていない恋歌としては、第二部の時間が押しているので逃げたい心境でした。
しっかり稽古をうかがうだけでも疲れて、最後でいささか稽古不足はだめですね、4月の桜丘寄席までに追い込んで頑張ります。次回の稽古会は「紋三郎稲荷」で巻き返します。
第二部は、小三馬さんにフランス製のシェフスーツの贈呈、料理人の最高の勲章(?)の贈呈があり、和食の達人志ん女さんと、フレンチ・中華の達人小三馬さんのコラボによる、岡山寄島産のプリプリの牡蠣料理でご堪能頂きました(1名を除く)
料理の全貌は、遊若さん他、何人かの方がスマホに納めています。
次回は5月です。
5月は、深川の杵柄寄席を始めとして口演が多いため、6月にずらす可能性もあります。
近々、ご案内を差し上げますので、次回も奮ってご参加ください。
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談吾 あわび熨斗
初見参、それでなくても緊張する高座に、初参加ですから緊張されていたことと思います。
甚兵衛さんは、落語の登場人物の中ではもっとも難しい人物です。「馬鹿で与太郎、人の好いのが甚兵衛さん」と言われるように、馬鹿に演じてはいけません、ちょっと気弱で・・・とにかく、難しい。
口跡は綺麗でなめらか、特に頭の伝法な口調は聞いて居て気持ちがいい。
前日、夏夏さんの不得要領な「あわび熨斗」を聞いた後なので、丁寧なつくりは秀逸。
杵柄の稽古高座に慣れていただくことが先決でしょうか。
金夢 くも駕籠
常に、稽古不足であってもそれを察知させない手者ではあるが、昨日は稽古不足を露呈。
だからと言ってダラダラと時間の長さを感じさせないのは流石。人物のデッサンがしっかりしているので、何かを感じさせず、引っ張るのはなるほどと思う。何処かへ「くも駕籠」を出した時は、抜かりなく演じてくれるでしょう。
恋歌 操競女学校 お里の伝
圓朝作で、六代目圓生の口演を大学3年の時に聞いて演れる日が来ればと思いながら50年。
元の圓朝の本も素晴らしいが、これは3日くらいに読み続きのものを、圓生師匠が40分に仕上げた、これも素晴らしい脚色です。元はとにかく素晴らしいんです、はい、御退屈様。
はち好 猫と金魚
老人向けに明るく楽しい噺を仕込んで欲しいとお願いして、まァ稽古不足。
口慣らしをしっかりと、主人と番頭の会話は、身分の違いの言葉で明白ですが、姿勢も大事です。
3月の稽古会でお願いして、6月の「横浜にぎわい座」を目指しましょう。
夏夏 大山詣り
大山詣りを20分でやります、演りたいとおっしゃるので、これは聞いて置きたいとお願いしました。
この噺は、何処がと言われると説明しずらいのですが、昭和の大真打や、明治大正の名人が演じている大物の噺です。予想通り、ダイジェストの粗筋でした。地理的にも嘘があったりで、噺の構成が無理。
市川夏江さんの女優・演出家としての才能・実績は疑う事のない立派なものですが、落語については、いいものをご覧になっていないので、演出・脚色についてはご留意願いたい。
容旦 北の寿限無
歴史的背景や、歴代の名人上手の演技と比較されたり、追及されることのない新作という作戦はお見事。
寿限無のパロディ作品も多いが、これはよくできた作品で、現代口調で、古典落語で口調を追及されることもなく、鉄っちゃんのセンスを生かした秀作でした。
昔噺なら、いろいろご指摘できそうな予感でしたが、いずれ一度昔噺で火だるまになるのも快感ですよ。
大分は豊後の山から捕れたイノシシ、夏団治さんのおかげで今年も楽しく食い尽くすことが出来ました。
第63回稽古会は、3月14日(月)15時より・・・恋歌「お文さん」、稽古希望者募集中。
お楽しみ二次会は、岡山寄島から取り寄せの牡蠣尽し(蒸し牡蠣、カキフライ、牡蠣飯、?)小三馬シェフの腕と志ん女板長の腕にこうご期待。
さて、今回は恋歌落語ノートについてご紹介
落語は、独り舞台で、脚本、演出、主演、助演、小道具方とすべてを一人ですから、頭の中だけで構成できて、紙も鉛筆も(パソコンか)いらないのですが、昭和の名人の残したノートは門外不出ですが、断片を垣間見ると凄い物があるようです。
私の演出ノートは
【録音・収蔵本】参考にした、調べた速記と落語家さんの録音
【動機】 なぜこの噺をやろうと思ったか・・・動機不純は失敗することが多いです
【演出の勘所】 その噺の、演出の狙い、受け所
【時代・季節・時間・場所】いつの時代の噺か、貨幣価値は正しいか、その時代にその物は存在したか
季節はいつか、落語に季節無しと言います、多くは無季節ですが、あれば季節感は大事です
年月日が判れば、時代・季節は限定されます
時間は何時頃か、夜なら江戸時代満月でもない限り真っ暗闇です
場所は何処か・・・ここは「落語の舞台を旅する」という援軍が強い味方です
【登場人物】 名前、年齢、容貌、性格 この人物デッサンでその演者の噺が決まります
【舞台】 絵心があって、絵コンテ、書き割りが書けるといいのですが
舞台上の登場人物の配置を決め、書きます 登場人物が多い時位置が決まり、聴き手に混乱を与えません
【小道具】 扇子、手拭いなどの使用法を確認します
カミソリなどの時は小型で薄手の扇子を使ったりします。
手拭いはその役割にあったような柄の物を使います、何しろ噺にあった着物と言う訳にいきません
【時代考証】 噺の時代の裏付け資料です・・・「落語の舞台を旅する」という援軍が強い味方です
【噺の資料】 噺の来歴、歴代の演者の伝わっている談話など
【噺の種】 用語集 何の意味だかわからないで喋るのはつらいです、近頃はインターネットで調べるのが楽になりました
【演出の比較研究】 速記の比較、録音、録画の比較 良い演出、自分の好みにあった演出を選べます
【マクラ考】 本職のままでなく、自分の言葉として喋るマクラ
【落語の舞台を歩く】 これは、デッドコピーを添付
【千字寄席】 高田裕史、古木優両氏の著作ホームページで、蘊蓄が豊かで勉強になります
http://senjiyose.cocolog-nifty.com/fullface/2006/10/post_968e.html
演出ノート作りは、面倒だと思われるかもしれませんが、覚える間の1~2月の間に片手間でできます。
作る過程での発見は面白くてやめられません。70本の根多のノートは、同じ噺をおやりの方には、ご希望(?)があれば差上げます。いま、準備中の噺が20本、そのノートも作成しています。
江戸落語の速記としては、青蛙房「圓生全集」「文楽全集」「正蔵全集」「小圓朝全集」「金馬全集」「三木助集」「小さん全集」、筑摩書房「古典落語一期、二期全十巻」文庫「圓生、正蔵、三木助、小圓朝、金馬、小さん、志ん朝、米朝」あたりをまず下敷きにとどめ置かれるのが良いと思います。転失気などは、昔のサゲは面白くありませんでしたが、その下敷きと、取り入れたいと思う現在の噺家さんの物を比較対照することで、抜いていい物、抜いていけないものが見えてくると思います。
これらの、文献資料は、古書店でも少なっているようですが、志ん女さんにお願いして拝借できる資料です。
今年も、落語口演も残り少ないのではないかと思います。
杵柄會としての口演が終了しましたので、2007年から2015年までの口演回数を整理してみました。
杵柄會以外での口演もあり、それらを含めて来年の口演計画の作成のご参考になれば・・・・?
杵柄會では、一回しか演じていない、大物噺でチャンスが少ない、演じてみたが上手くいかなかったとか、理由は様々です。大物噺は、桜丘寄席の仲トリ、トリで機会を考えますので奮ってご応募ください。
演じてみたが、しっくりいかなかった噺、ありますね…やめてしまうか、もう一ひねり頑張ってみるか、ご一考下さい。
持ちネタの少ない方、他にお忙しい事もあるでしょうが、稽古会へ出して見てください。
桜丘寄席も2016年度も1年間開催が決まっています、季節感のある噺は、その時期にどうぞエントリーしてください。
新しい年も、落語を楽しんで?、苦しんで?演じようではありませんか。
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今年、最後の稽古会の予定でしたが、特別稽古会が入りまして、今年最後は61回になりました。
志ん女さんが久しぶりに「宗論」のネタ出し稽古の予定でしたが、本人都合で、12月の五人の会の前に特別稽古会で、別途稽古会となります。どうしても怖い物見たさで見たい方、恋歌までお知らせください。
舞寿:平林
杵柄會始まって以来の初心の会員で、小咄の稽古以来、時間も空いてもう・・・と案じていましたが「平林」で見参。いやァ、良かった良かった。学生時代に新入生の初高座を久しぶりに見た思いです。
まずは、きちっと覚えておいででした。上下がしっかりしていたのでそれだけで安心して聞けました。
口慣らし、滑らかに出るように繰り返しの反復稽古をして、登場人物の感情移入や、所作振る舞いを勉強していきましょう。
恋歌:伽羅太夫
前回、恋歌作という事で、「平沢佐内」を出しましたが結論は「非」でした。このところ、舞歌さんや、小遊さんの創作や、前回の金夢さんの「便り屋」に刺激を受けて、ひそかに作りためていたものを出す覚悟を決めました。
それとなく古典の埋もれたもの風に出してみましたが、稽古不足もあり再び「非」となりました。
無から有を生む力はないので、江戸の出来事をヒントに2作目ですが、元々の性格が災いして今ひとつ。一部江戸の様子がわかって良かったとの評を頂戴して恐縮ですが、こうしてみたらなどお知恵をいただければ幸いです。
恋歌:権兵衛狸
今年は、「死ぬなら今」に始まり、「梅若礼三郎」、「王子の狐」「のっぺらぼう」「文違い」「伽羅太夫(没)」「権兵衛狸」と勉強しました。金夢さんの軽妙、半志楼さんの軽快に無い物ねだりで、自分の中で悶えましたが、人には人のビフィジス菌じゃなかった、持ったものがあると諦めて、来年は本心に立ち返り頑張ります。
緑林門松竹から「女占者」「新助殺し」、「門三郎稲荷」軽い処で「亀田鵬斎」、圓朝物で「操競女学校・お里の伝」などを、心を入れ替えてやります、これで、1月の稽古会はどっと参加者が減るかな・・・猪鍋ですから減った方が・・・来年もよろしくお願いします。
半志楼:舟徳
素人で覚えたことを忘れないうちに早いとこ喋ってしまいたいというものとは全くの別物で、よくまァあれだけ高速で人物描写をしながら、所作振る舞いも抜かりなく行けるもんだと思います。
しかも、「舫い」では意味が通じないと、「結わいて」と言葉を入れ替え付けくわえてフォローしていく気配り込みです。
得難い個性です。金夢、芝楽、半志楼と豊かな才と個性、遊月、夏夏、舞歌と百花繚乱、杵柄寄席のバライティは恵まれています。右柳さんともども、地味系がおかげで頑張れます。
舟徳の上下については、調べたうえでまたご相談させてください。
半志楼:引越しの夢
根多おろしでもスピードが失われないのは凄い。番頭のお清に、コナをかけるくだりはもう一工夫、でも初板ですからね。これも語りこみで磨かれれば仕上がりです。
舞歌:権助提灯
舞歌さんの根多は、その度ごとに思いを巡らせられる。
プロの女流落語家が、男性師匠から教わった通りを演じて、女性演者の視線がない(あるいは落語社会の男が許さないのかもしれないが・・・とすれば、落語界の自殺行為です)
なんで、こんな根多と思う「権助提灯」が考えさせられる。
権助という存在が上方落語にないから19歳の手代に提灯を持たせるという発想。
杵柄會の特に恋歌の悪影響に毒されているようです。恋歌は嘘は嫌いですが、嘘も方便でもあります。噺の中には嘘はたくさんあります。その多くは、噺の中の嘘であって、歴史的事実の嘘ではありません。
大阪では、飯炊きは下女の仕事で、江戸では大店の場合飯炊き下男がいました、権助を飯炊きでなく、荷物の運搬人として商家の構成員に加えれば・・・と考えることもできます。権助の皮肉な一面が狂言回しとして噺に可笑し味を加えられることもありですから、こだわりから外してみるのも一考でしょう。
男性の聴衆としては、二人の女性から嫌われながら行ったり来たりしているのでは余りに悲劇でつらい噺になります。好きなの、愛してるの、だけど今日は向うへ泊ってという処から喜劇として男の姿が最高に滑稽になるような気がします、でも両方から嫌われているという演出だと、かなりのブラックジョークで腹がよじり切れるかも。舞歌さんがまだ迷っているようですから、これからが楽しみです。
かなり、完成したと思ったものも簡単にスクラップアンドビルドで構成しなおす舞歌さん、期待してます。
金夢:睨み返し
まァ、軽く、いとも簡単にやりますね。わたしなんか、こねくり回してしまいそうです。
結果としていとも簡単に見せてるだけなんでしょうけどね。
壮士との対決が見せ場ですから、もう少しねばっこくやって貰っていいんじゃないでしょうか、ここは金夢美学を捨てて、小三治さんの半分ぐらい粘ってみてほしいと思います。
今年最後の宴は、米駒さんのお力添えで入手した「蝦夷しか」のステーキ、スペアリブ、鍋と堪能しました。
日田の夏団治さんからは、「鯛の頭の燻製」も届き、山海の珍味に飽食しました。誰です、「鮎のうるかはどうした」なんて事を言うのは。
寒さに向かいます、風邪などひかぬように身体に気を付けて、これからのお仕事、寄席に、特に年末年始は立て込んでおります、どうぞご自愛くださいますようお願い申し上げます。
昨夜は食い気に没頭して、1月の稽古会の日程を決めるのを忘れておりました。
近々、行われる志ん女向け第61回稽古会で日程を決めてご案内いたします。
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芝楽「シルバー川柳」
稽古会には不向きで、本番に受けそうな噺です。川柳の披露に扇子の叩く音はなんともきつ過ぎる、もう少し柔らかい音の方が噺全体をすんなり運べそうな気がします。
話の中身→川柳のワンパターンは、繰り返しで長くなってくると噺がだれそう。
川柳→話で解説のワンパターンも同様。工夫で、話の中身→川柳、川柳→話で解説を混ぜられないでしょうか。
川柳→話で解説の場合は、川柳がひねったものでないとならないので、難しいかもしれません。
爆笑の連鎖の中で運ぶ噺でしょうから、稽古会には向いてなかった。
恋歌「文違い」
演者が緊張していて、お聞きの皆さんも疲れたのではと思いました。五月の稽古会に出すつもりのものを七月にだしたので、完成度は高まっていなければならないはずでした。塩原多助、牡丹灯籠、文七元結と比べても「文違い」は難しく感じました。新宿の女郎が、愛する本命の男のために、好いたお客と金づるのお客を騙して金をせしめようとの手練手管、3人の男に三様の対応・・・心理描写が入念に行わなければならず、難しいとされる人情噺も一人一様の心理描写なので、集中しやすく、「文違い」の難しさは別なものでした。
昨日の稽古のおかげで、ひと山越えて、割り切るところ、突っ込む処が見えてきたようなので、10月の桜丘寄席、11月の調布寄席に向けて精進しようと思います。
自宅の稽古で、着物を着て所作をしないとならなかった噺は、「文違い」が初めてでした。
11月の稽古会は、心理描写で悩まなくて済む、「権兵衛狸」で行きます。
えッ、誰です、あの噺は、「狸の心理描写」が眼目だなんていうのは。
金夢「行ったり来たり」
枝雀さん好みの噺ですね。言い間違えると台無しになる噺ですが、軽やかに、澱みもなくスラスラと行くところは凄い。という噺ですが、面白かった。
小三馬「淀五郎」
団蔵、仲蔵の人物像をしっかりと固めてください。
身分制度は説明しないと、有頂天になった淀五郎の喜びは出てこないかもしれません。
「さんぽう」と聞こえましたが、「さんぼう」ではないでしょうか。この噺は、やり手も少ないので圓生師匠で押していくほかはないと思いますが、正蔵師匠の「淀五郎」も一度お聞きすることをお勧めします。
さて、第60回稽古会は、11月19日(木)となります。
恋歌「権兵衛狸」、半志楼「引っ越しの夢」・・・どうぞ、稽古会のお申込みよろしくお願いします。
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半志楼:幇間腹
杵柄稽古会、初見参。今時、玄人筋にも見ない、当然ながらアマの世界にもない語り口。
既に、2度ほど高座を務めてもらっていますが、全盛期の月廼家円鏡(八代目円蔵)を超えるハイテンポな語り口・・・お客を置き去りに勝手に早いわけでなく、お客様を引き連れて疾駆する語りは中々です。
次回の稽古会では、大きめの、「寝床」「三方一両損」「舟徳」のどれかを聞いてみたい。
はち好:羽織の遊び
うーん長い。志ん朝の本を圓生の息では、間延びの芸になります、20分は切りたいですね。
うちの家内は、はち好さんの「宿屋の富」は贔屓なんですよ。半志楼さんの間を作らない、余白を作らない演出とは、はち好さんは、間をいかす、余白を使う芸で、志ん朝さんは対極にありそうです。ないものねだりかな。志ん朝さんの小さな余白の芸を大きな余白にしてしまうと間延びしてしまいます。8月の桜丘は、金夢さんの心遣いで、中入り後に番組を組んでくれています。志ん朝の20分を25分にするのではなく工夫よろしく。
舞歌:金魚の芸者
上方から一転して、江戸落語。それも赤い着物を着たいと言う不純な動機で取り組んだという「金魚の芸者」。それだけでやるかなァ、小満んさんぐらいでしょ。でも、細部に舞歌好みの工夫の「金魚の芸者」でした。
それにしても、アマ女流の落語は、演者の女性の工夫が様々にあって、新鮮なものを感じさせてくれます、プロの女流は落語界のしがらみから抜け出せず面白くもなんともない。出し物が枯渇気味です、勉強してください。
恋歌:のっぺらぼう
圓朝シリーズの反動で、軽い噺に頑張ろうと思っています。冒頭、吟醸さんと目が合って、「四谷忍町、いまの四谷左門町のあたりで・・・」という処で、四谷忍町が出なくってアセリました。天狗裁きと同じ組立の噺で下げへの持って行きようは色々工夫ができそうです。
金夢:便り屋
だいぶ前に出来ていた噺ですが、別に熟成していたわけではないようですが、金夢流の素軽い噺です。半志楼さん、やりますか?時代が時代で、しらばっくれて、初代可楽の作ですよと言ってごまかせそうな、そんな佳作です。作者が演じるのでこれ以上のコメントはありません。
11月14日の桜丘寄席は、桜丘公民館のお祭りに参加して10時から18時までの開催となります。
小遊さんの応援OK,「北海道物産展」かな、それまでに新作がでてくるでしょうか。
さえの助、安芸、豆蔵さんについては、舞歌さんよろしく。
トリは岩田さんのアコーディオンでと思います、志ん女さん折衝よろしく。
それと、談吾さん、容旦さんも、ご参加いかがでしょうか。
10月の第11回杵柄寄席
はち好:羽織の遊び、夏夏:厩火事、金夢:お血脈?、恋歌:肝潰しor淀五郎、
芝楽さん、錦の袈裟、万両婿、祇園祭、百川、妾馬と出ています、代案をよろしく。
右柳さんの出し物、金夢さんお願いします。
今日は、談吾さん、小遊さん、容旦さんと、アマ落語界からギャラリー参加いただきましてありがとうございました。
ご都合の付くときに、なにかご披露いただければ幸甚です。
次回は、10月の杵柄寄席の招待状配布もあり、9月を8月にして行います。
8月27日(木)稽古は15時から
踊りの稽古が入る場合はもう少し早くなります(別途ご連絡)。
第二部は、島根県温泉津漁港直送の真鯛尽しの予定です。
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小三馬 野ざらし
昭和30〜50年代には、寄席に行けば必ず聞けた噺ですが、当今はトンと聞きません。
小三馬さんも、いささか苦戦、昔聞いた杵柄だったでしょうが・・・。
野ざらし、湯屋番など男の一人言との妄想からの笑いの噺が、近頃受けません、近頃はバーチャルリアリティとかで、昔とは違うんでしょうか。初の稽古出しで、固いというのが、苦戦の最大の理由でしょう。
戦後、野ざらしで一世を風靡した三代目柳好の唄い調子の軽妙さがいいんでしょうね。
実際に女性を引っぱり込んでいたと言うのは考えすぎのような気がします、ここは素直に幽霊が来たと云うんで好いんではないでしょうか・・・仮に引っ張り込んだとして、その結果、心理描写にどんな影響が出るのでしょうか・・・そこまで考え込むと、後半の悪影響が気になります。
金夢 仏馬
平成9年の第16回稽古会以来、久々の再稽古。資料的には、金園社発行の今村信雄の落語全集に見る事が出来ますが、東大の落語事典にのっていない珍しい噺です。始めて聞いた時には、噺の構成を理解するのに精一杯でしたが、昨夜はすんなりと入りました。いろいろ落語を聞いた人には面白い噺ですが、いきなりは難しそうな興味深い噺で、軽妙さが命で、金夢さんならではの根多でした。
恋歌 王子の狐
最近聞く事が少なく、アマにも演り手の少ない噺です、底本は、八代目柳枝で、戦後野ざらしの柳好、王子の狐の柳枝と言われた本で勉強。柳枝の噺は初めて勉強したので口跡がなかなか会わずに苦戦。柳枝さんの軽妙が、丁度あった感じで、金夢さんのような軽妙は無理なので、私には丁度よかった感じでした。
この日は、稽古の前に、扇華恵師匠の「かっぽれ」の踊りの稽古をしていただきました。
当初、6月の横浜にぎわい座のむげん富士見寄席の大喜利に総踊りを計画していましたが、会員の年令から断念し、10月の杵柄寄席で総踊りと致します。今後、稽古会前、桜丘寄席の午前10時から踊りの稽古と致したいと思いますので、足腰をなおして奮ってご参加ください。次回の稽古は、4月11日の桜丘で10時からです。
遊月さんの故郷に、ほど近い岡山県寄島の牡蠣を、花板・小三馬さんの腕で、中華炒め、焼き牡蠣、牡蠣フライ、牡蠣鍋、牡蠣飯と堪能していただきました。ふっくらと大振りの牡蠣、また、来年も冬場にお楽しみに。今回も、日田から猪のハム、珍味到来、なんとも感謝です。
鹿肉、猪肉、真鯛、牡蠣と、持つべきものはよい友です。
さて、昔取った杵柄がお一人乱入。
芝楽さん、右柳さんと現役時代暴れた、たちばな家半志楼・・・半分は素人ではんしろう、残る半分はアマチュアです。まだ、半現役で、折を見ながら稽古会参加、いずれ杵柄會デビューをしていただきましょう。皆さま、よろしくお願いいたします。
5月 第10回杵柄寄席 10回記念はビゴのクッキーで・・・金夢さん折衝役お願いします。
恋歌:死ぬなら今 金夢:小言幸兵衛 舞歌:悋気の独楽 まりも:音曲 小三馬:佃島
中入 遊月:たがや 稔:マジック 右勝:徂徠豆腐
6月 第4回むげん富士見寄席
芝楽:転失気 舞歌:動物園 まりも:音曲 恋歌:子別れ 中入 遊月:背で泣いてる唐獅子牡丹
稔:マジック 金夢:大山詣り
杵柄寄席招待葉書、志ん女さん宅にあります、遅くとも5月の連休前に郵送願います。
むげん富士見寄席のちらし切符、志ん女さん預りです、今週末のあたらし寄席から販売開始します。
出演者、10枚は販売をお願いします。
5月には、藤沢寄席、領家寄席があります、ご出演の方よろしくお願いします。
桜丘寄席、6月以降の番組作成にご協力願います。
7月:ヒョロビリーズ 8月:バイオリン漫談 決定
次回第58回稽古会
5月の予定ですが、席亭が6月の芝居公演の舞台稽古で、連日大忙しで、第10回杵柄寄席、むげん富士見寄席もあり、休会します。
7月13日(月)15時より稽古会 13時より踊り稽古
稽古のお申し出は、恋歌まで
エントリー はち好:猫と金魚 半志楼:幇間腹 恋歌:文違い 芝楽さん、舞歌さんそろそろお稽古願います。
お楽しみ・・・小三馬シェフの吉例「ビーフシチュウ」にビゴのフランスパン
おまけに志ん女特製「餃子」?
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皆さん
昨日はお疲れ様でした。
今朝、仙台堀のほとりを歩いていると、紅梅・白梅が見事に寒の寒さの中、咲き誇っていました。
稽古会
遊月:背で泣いてる唐獅子牡丹 遊月さんの飛び道具です。正直、面白いんだろうな思いながら聴いていて、面白くなく、あァあと思って感想もありませんでした。金夢さんの評で納得しました。金夢「どうして、よぼよぼじゃないの」という鋭い決め科白。
老境のやくざの哀歓、ペーソスに笑いを誘うのに、演じているやくざには、その老境が無かった。仕草も大事。
落語は、人間をどう描くか、もとの人物に、どう演者が戯画化して、人物をみせるか。演じている像に透けて本物の人間像があるから、嘘っぽい落語国の人間に血の通った温かみを感じられるのだと思います。
人間を描く・・・これが戯画の落語の大事な肝だと恋歌は思っています。
「老婆の休日」は、ご母堂様がモデルかどうかは存じませんが、見事です。
「背で泣いてる唐獅子牡丹」は、元(現?)やくざの老境を克明に描いて面白味が出るんだろうと思います。
ここで、厄介なのは芸の嘘です、全編リアルに老境で描いては、人情噺です。出だしではしっかり、老境をだして、お客様に仕込んで、あとは、要所、要所で、老眼鏡なり、杖なり、老いを笑いに取り運んで貰いたいものです。また、唄は、肝ですからしっかりお願いします。
稽古会は、稽古会です、本番に強い遊月さんの好演を待ってます・・・にぎわい座、どうでしょうね、川島さん。
墨亭右柳:厩火事 本寸法の純粋文楽100%、なにせ、期待の杵柄世代です。
文楽師匠の噺は、型枠にきちんと納まってしまう噺だけに難しい。下手するとデッドコピーになる。とりわけ、「厩火事」は、独特のリズム感で、しかも嫌と言う程聞いて耳にこびりついているだけに難しい。
風邪の気味もあり、体調充分でない時はきつい。と、稽古不足はいなめない、杵柄で、耳慣れたが落とし穴。
流石に、杵柄。次回の稽古で何がでるかが、お楽しみです。
夏夏:真田小僧 これも、親子の駆け引きものでは金箔付きの名作。
そのためには、もう少し子供の作意、ワル賢さ、時に可愛げ・・・この可愛げを演じるのが演者泣かせのくせ者ですが、これが噺の味と品格を決める難物・・・を工夫してほしい、一本調子。親父さんも、子供の作為に応答が一本調子で、噺の運びが単調になる。親父も、聞きたい、聞いてやるもんかの狭間を行き来しながら、佳境に入ってのめり込み巻上げられる・・・意外に高度な技術があって聞かせる噺で、今時の本職で何人聞けるかと言う噺です。
夏夏さん、小三馬さんと声の音量調整に気配っていただくと、格段に良くなると思います。
恋歌:梅若礼三郎 発端から鍋町の捕り物まで1時間の噺を、30分少々に。年末年始にもう少し稽古する予定が少し遊んで苦悩の一席。吉原池田屋の栄吉捕縛までで、終わろうかと思いましたが鍋町までたどり着きました。江戸初期の時代の噺で、説明をいれながらやれば、一時間は楽に越える噺ですが、稽古会以外ではかけようのない噺でご迷惑様でした。
金夢:たたき蟹 我らの仲間の右朝さんの根多帖に有った噺を円窓さんを下敷きにまとめた一席。
本人は、稽古会だけと言っていますが、お年寄りの多い席では、年配者好みのいい味わいの佳作で、やって貰いましょう。甚五郎は言葉少なですが、飄々とした味をだしていました。甚五郎と判って、行列が横浜(熱海・静岡)迄のびたってのありました・・・聞き落としたかな。主が蟹の甲羅を叩いて目で追い、驚きあっけにとられる仕草はもう少し派手にやって欲しい。お客さんに分り易くお願いします。
次回の稽古会は、3月25日(水)です。
小三馬さん、シェフと二股ですがよろしく。はち好さん、「猫と金魚」そろそろ如何ですか。
恋歌は、軽めの噺の強化で、「王子の狐」あたりをお願いしようと思っています。
日田の夏団治さんの心づくしの「ししなべ」でした。
この度は、関東人向けにわりしたも工夫していただいて、美味でした・・・個人的には、夏団治オリジナルが好きです。葱だ、葱だと言いながら、猪の肉をたらふく頂戴しました。至福のひとときでした。
次回は、瀬戸内海は寄島の牡蠣による、焼き牡蠣、牡蠣フライ、牡蠣飯の予定です。
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杵柄稽古会、お疲れ様でした。
いやァ、おでんが美味しかった、エゾシカの肉もまた、天の恵みの美味しさでした。
おっと、稽古会です。
夏夏さん:子別れ
圓生さんの本ですが、不思議な事に。あれだけ子別れをやっていたはずの、圓生師匠の画像が残されておりません。カミシモについては、志ん朝師匠の絵がありますから、参考にされるとよいでしょう。
人情の機微を描いた名作です、その人情の表現のひとつ、ひとつは流石に役者さんで申し分ないのですが、熱のこもった表現を連続25分では、聞く人が持ちません。序破急で、小さな山を作って、途中は、お客さんも息を抜いて聞けるようにして、山あり谷ありの楽しい25分にして下さい。大きな山は、子供の折檻でしょうね。
舞歌さん:阿弥陀が池
八っさんとご隠居さんの会話には、人物が演じ分けられ、個が表現されます。大阪の独特のパーソナリティの喜六は、東京の与太郎や甚兵衛さんとはちがう興味深い登場人物です。この喜六を演じていない、阿弥陀が池は?。
つっこみが二人の漫才のようで面白くありません。深く考えて自分を演出する力は、遊月さんと言い、舞歌さんと言い、女性陣はすごいところがあります。「天王寺詣り」、「野崎詣り」ほかに、喜六が活躍する噺、どなたでも舞歌さんに教えてあげて下さい。喜六像をしっかりまとめれば面白くなりそう。
阿弥陀が池という、大阪で有名な地名も、東京では、「どのくらいの大きさの池ですか」になってしまいそう。
東京では、「新聞記事」という題で、工夫しています。東京バージョンは、阿弥陀が池は一考の余地があるかも。
金夢さん:都々逸親子
よくまァ、こうした品を掘り出して・・・感心させられます。
恋歌:幸助餅
恋歌懺悔2014
2013年は、塩原多助:青の別れ、戸田邸、と、牡丹燈籠:おみね殺し、関口屋の強請と、芝浜、甲府いと充実した稽古ができたと、満足の一年でした。
2014年は、御神酒徳利、一眼国といい稽古も出来ましたが、提灯屋、宮戸川、それに、五月雨坊主、菜刀息子、名物幸助餅と悔いの残る稽古の数々でした。五月雨坊主、菜刀息子、名物幸助餅は自己陶酔に浸った選択だったかと反省しています。当年とって69才、来年は70才、いつ痴呆に襲われて、噺は覚えられない、思い出せなくなるかという、恐怖心に焦った一年でもありました。
右柳さんが、雨流亭枝好さんと寿々女さんのビデオを持参して見せてくれました。恋歌・志ん女・金夢にとっては、アマチュア界の至宝、最高峰で、伝説のアマ名人の芸にふれました。・・・・・・・今年の恋歌は反省あるのみで、2013年がうまく行き過ぎた結果、雑な2014をおくってしまったと慙愧に耐えません。
幸助餅は、山も笑いも無いと指摘を受けました。まァこういう噺だとは思いますが、最大の問題は語り込み不足でやったことでしょう。語り込んでリベンジします。
2015年は、梅若礼三郎、緑林門松竹、三味線栗毛と、固まりそうな噺のオンパレードで予定していましたが、清く正しく、襟を正して、緑林門松竹は2016年、三味線栗毛は2017年に先送りします。
わが、杵柄會には、年を取る事を忘れしまった、花伝亭夏夏さんと言う素晴らしい大先輩がいらっしゃいます。なんかのはずみで、惚けたり、死んだりした時はそれも天命と受け入れる事にして、2015年に向かう事にいたします。
2015年 「死ぬのは今」「のっぺらぼう」「王子の狐」「時そば」「梅若礼三郎」を勉強することにいたします。
来年の1月の稽古会は、志ん女邸のリフォームで、いまのところ不明です。しかし、年内の稽古はありませんとお知らせしながら、昨日急遽稽古会が行われたように、事態は流動的です。常在戦場・・・なんだか衆議院議員みたいですが、みなさま、稽古に油断なくお励み下さい。杵柄會は今年は数多くのご要望をいただき出前いたしました、嬉しい事に、一度お伺いしたところからは、「もう一度」のお声をいただいています、「年に2回でもいいですか」というお問い合わせもあり、稽古は、ゆめゆめ怠りなくお励み下さい。
1月、3月の予定の稽古会が、3月1回になって困る事がひとつ。
大分産の猪鍋と岡山産の牡蠣づくしのどちらかと言う、究極の選択を迫られる事です。
その節は、皆様に運命の選択のアンケートをお願いします。
両方やれ・・・あなた、腹も身の内、健康を考えなきゃ。
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遊月さんの大会応募用映像の撮影(長短)、あいかわらずのお手並みで、映像審査は通過でしょう。
入門稽古会、40年前の稽古を思い出しながら、金夢、志ん女、小三馬、恋歌と青学落研の稽古教本の「藪医者」、「けちの釘」、「トントン落」を疲労、40年の風雪に耐えた小噺は、それぞれ興味深いものがありました。
相馬さん、堅さがとれて、まろやかになるには少し時間がかかりますが、がんばってやってみましょう。
最初の噺は、「平林」を予定しています。
また、芸名については、〇美樹亭舞寿(みっきぃていまうす) 〇おとぎ家白雪 などが候補。
是はと言う名前があればお知らせください。
稽古会
恋歌:「五月雨坊主」
第4回むげん富士見寄席の最後に会員の総踊りのかっぽれに入るべく、「五月雨坊主」に挑戦。
原作がないので、鉄眼のお駒への想いなど、感情表現の補足ができず、八代目正蔵師匠のような説得力はなく、難しすぎた。国学院の先輩、枝好さんの力量を思い知らされる結果でした。
はち好:「宿屋の富」
言葉尻が呑まれる、滑舌にいまひとつ。声のボリュームが大きくないので、小声や独白の部分も、声を落さず押した方がお客様の理解が得られやすい。18日にめがけて練習、練習願います。
芝楽:「蒟蒻問答」
入りきっていないと、人間が正直ですから、手が無用に宙を舞います。隠し事のできにくい性格
ですね。柳家の系統の音と本からのようですが、圓生、正蔵系のものも見て置かれた方がよいでしょう。正蔵さんの弟子、柳朝師匠のものが大変にいいです。(18日にコピーCDをお届けします)
宗教作法をあまり突き詰めるのでなく戯画(カリカチュア)の範疇でよいと思いますが、嘘だけはさけなければなりま
せん。そこそこにはお調べになったほうが良いと思います。
金夢:「大山詣り」
さすがに長編の大作、でも1か月であそこまで仕上げるのさすがです。
どこかに掛けるといっても、あれだけの大作になるとそうそうは無いでしょうが、場所を選んで実践いたしましょう。
恋歌二席目:「菜刀息子」 小南師匠のものをひさびさに聞いて、舞台を江戸に移してやってみました。「弱法師」の息子は、江戸には出てこない(大阪でも少ない方)タイプで、「へェ」とサゲ以外は喋らないので、人物描写もままならず、結果は無念に散りました。この噺、なるものならなんとかしてみたいので、お知恵を拝借ねがいます。
10月18日は第9回杵柄寄席です、出演の皆さんお稽古よろしくお願いします。
来年以降、5月10月で行って見ようかと思います。来年は5月は予約済、10月は今日申込しました、多分、17日か24日で取れると思います。
10月18日、揃いの浴衣を用意した方は、浴衣姿でお出迎え、お見送りをしたいと思いますので、当日は浴衣ご持参ください。
尚、当日は終了後、近所で打ち上げの予定です。
2度目の鯛尽くしでした。援軍が大分県は日田から、燻製の兜が来陣、華を添えてくれました。
板長小三馬さんに、追廻志ん女さん、包丁が切れなくなると、研ぎ師伽六さんの活躍で、飽食の宴となりました。
鯛の刺身、湯引き 鯛のぬた 鯛の粗焚き 鯛のシャブシャブ 鯛めしどれもこれも美味でした。温泉津の漁師さんに感謝、料理人さんに感謝。日田の夏さんに感謝。
さて、この稽古会、今年11月は中止の可能性。
志ん女さんが、志ん女亭の1階フロアのリフォームに11月、12月とかかります。1階には常設の高座を作ると云う話は、残念ながらありませんが、志ん女亭での稽古会は、明年1月下旬となります。
ただ、10月より扇華恵師匠の踊りの稽古がはじまります。10月の踊りの稽古は、体力に疑問のある男性陣の基礎訓練からはじまりますが、11月からは、女性陣も一緒に稽古が始まります。
落語は、源流に歌舞伎があり、所作は踊りが基礎となります。邪魔な手の動きは噺の邪魔ですが、綺麗な手さばきは噺を良いものにしてくれます。舟を漕いだり、男仕草、女仕草に役立ちます、2曲くらいしっかりやってみたいと思いますのでよろしくどうぞ。
なお、10月の踊りの稽古で稽古場を拝見します。都合によっては11月踊りの稽古から、噺の稽古会になだれ込むかもしれません、あらためてご連絡いたします。
稽古会会員は、油断なく、11月実施の可能性に備えて下さい。
最悪、稔師匠こと若葉亭志ん女さんの「干物箱」と、遊月さんの「鰍沢」は稽古可能演目です。
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第52回稽古会お疲れ様でございました。
久し振りに、稽古の人数も多く、また女性会員には、後藤さんの着物着付け教室もあり、なかなか中味の濃い稽古会ができたような気がします。
はち好:宿屋の富
杵柄會の出し物を早めに稽古、よいお心掛けです。予告通り語り込み不足ですが、杵柄根多、要所、要所は巧みにこなしていました。志ん生から、志ん朝まで演出の幅は大きく、どこまでざっくりか、どこまで細かくは料理の腕の見せ所です。語りの次には所作の押えで、富くじの扱いなどよろしく、9月の落語会は点検に行かなきゃ。
それと滑舌です、語尾を呑込みがちで、聞き取りにくい事があります、ネタおろしのせいもあるかもしれませんが語尾の呑みこみ意識して見て下さい。
遊月:たがや
地噺ですから、入れ込み事は好き勝手で、本人のセンスの問題でとやかくはありません。
もう半分、隠し事、一文笛、転宅、芝浜の系統と、ローマの休日、がまの油、たがやの系統の二つの路線を楽しんでいます。後者は、女流の小遊さん等の刺激を受けて、創造性への挑戦と受け止めています。語りで培った話芸を活かした前者の系統もしっかりこなしているのですから、ここ暫くは二つの路線を存分に楽しんで貰いたいものです。言葉をしっかり仕込みましょう、稽古ですから言い違いはあります「たかが侍とあなどって・・・」はやはりまずかった、でも流れの中で誰も気づかなかったかも。
小三馬:佃祭
鈴亀寄席に向けて、最終調整、結構な事です。滑舌の良さ、声のボリュームの大きいこと、見事です。
金夢さんの指摘の通りで、ボリュームの小さいのが使えると無敵でしょうね。
おかみさん、23,4でしょうか、ちょっと伝法で色気のある・・・をだしてほしいのと、船頭金太郎も、28才くらいの若さと張りをだして、人物を描き分けて貰うともう完成でしょう。
金夢:蛙茶番
浴衣の受け渡し、代金回収でバタバタしていました、すいません。
この噺の一番難しいところは、卑猥な部分のある噺で、そこから笑いを取るので、若手の噺家さんや、素人の演者はいやらしさが前に出て聞けないものです。金夢さん流に、さらりと、卑猥さを感じさせずに演じたのは流石。
終盤、舞台番の半ちゃんが、もう少し騒いで、「あのバカ何騒いでんでしょう」と持ち込んでも。
濃すぎていけず、薄すぎていけず、この噺は塩梅が難しい。もう少し濃くかな・・・いやァ薄くかな、兎に角難しい。
恋歌:一眼国
一番最後で、噺はしっかり聞いていなければならない、浴衣の配布と代金回収はやらなきゃいけない。
敬愛する八代目正蔵にしっかり従って堅めの一眼国でした、もぎ取りのあたりを楽しくやって、鬼娘から本編へと再構築です。なにせ、鬼娘と一眼国本体はほぼ同時間、小噺のオムニバスみたいなものですから、正蔵師匠から少しだけ離れて見ようと思いますが、果して・・・・。
10月18日第9回 杵柄寄席の番組決まりました。
金夢 親子酒 会場の温めよろしくお願いします
舞歌 片棒 デビューを華々しく飾ってください
小三馬 後生鰻 軽やかにお願いします
芝楽 妾馬 仲ドリよろしく
はち好 宿屋の富 楽しくやってください
稔 マジック 昔やったので覚えていないそうなのでもいいです
恋歌 ねずみ 精一杯頑張ります
第53回稽古会の日取り
9月29日(月) 9月は祝日もあり、月末になってしまいました。よろしくお願いします。
日本海は温泉津から取り寄せた真鯛尽しを予定しています。
このところ、佳扇恵師匠に所作を見て貰う事で演技の向上が図られていますが、基礎訓練をお願いすることにしました。あわよくば、横浜にぎわい座あたりお披露目が出来たらという・・・・あくまでも願望で、会員の年令を考えると疑問は大ですが・・・・取敢えず、男性陣の状況を見て、女性若手の参加日程を考えます。
男性陣の結果次第では、この計画は挫折の可能性もあります。
9月16日、18日のいずれかを予定しています。会場が確保され次第ご連絡いたします。
男性演技陣に希望の伽六さんを加え稽古開始です。参観がてら、私も参加ありです、予定表に入れて置いてください。
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恋歌「宮戸川・下」
事情はあるにしても、1月に続いて惨敗の稽古。この状態から10日後に稽古会に臨めればという状況で、気力・体力の減退を嘆きたいようですが、要するに無理は利かないという事で、反省して稽古会に臨みます。7月は、あまり笑いのなさそうな「一眼国」で頑張ります。
金夢「反魂香」
同様な状況でも、金夢さんの噺の入り具合は違います、羨ましい。先代可楽師匠の十八番。途端落という気の利いたサゲの割には、サゲがもう一つ(恋歌好みではありますが)。金夢さんの苦心のサゲは及第点。今どきの噺家さんが古い噺のサゲをいぢって成功した試しがないのですが、面白いサゲでした。
ギャラリーに初お目見えの扇華恵師匠から所作についてのアドバイス・・・流石。
踊りの師匠、着物のアドバイザーをしておられるので、遊月さん、舞歌さん、一度、動きやすい、喋り易い着物着付けを教わってはいかがでしょう。素人が一番できない細かい所作のアドバイスを受ける事で、噺の品格が一段と上がる事は間違いありません、扇華恵師匠、たまに(毎回でも)遊びに来てください。
舞歌「茶漬幽霊」
期待の舞歌さんの期待の茶漬幽霊でした。昨年杵柄會に遊びに来たころから、落語が楽しく、自覚できる進歩があったそうで、「茶漬幽霊」は、その進歩の以前の噺だそうで、語り込み不足で、上方のパンチが出ずに終わりました・・・・・稽古不足は恐いよね。
「むげん会」から4名の参加をいただきました。また第三回むげん富士見寄席の売り上げから、30,000円をさらに杵柄會にいただきました。ありがとうございました。
第4回は、出演者は未定ですが、稔「マジック」、まりも「音曲」、金夢「大山詣り」、恋歌「五月雨坊主」はほぼ当確です。あとは、稽古会や落語会で「あの方聞きたい」というご指名で出演者が決りますので、よろしく。
「五月雨坊主」は、幕切れでかっぽれを踊ります、むげん富士見会、杵柄會の有志でかっぽれを踊りたいと思います。30,000円は、その時の浴衣の作成費の一部にお預かりしようと思います、「五月雨坊主」の企画が没になった時は、改めてご相談といたします。
笑吉さんが仕事終わって駆けつけてくれました、現役のバリバリで「毎日が日曜日」族と付き合うのは大変でしょうが、1年間の間には、有給休暇も取れるでしょうから、たまには、杵柄稽古会で技を磨いて見て下さい。
稽古の中身を補ったのは小三馬シェフの吉例「ビーフシチュウ」でした。アボガドサラダも中々でいつもながら、小三馬師匠の料理の才には驚かされます。あの大きな声は、広瀬川で鍛えたものと判明しました、小さな声を修行しなかったのが惜しまれます。
次回は、盛夏なので、志ん女師匠の特製餃子とお楽しみ購入品で、行きたいと考えています。
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昨夜はお疲れ様でした。
小三馬 後生鰻
志ん生師匠の台本の危険さは、志ん生師匠が喋るから面白い、志ん生師匠が喋るとなんでも面白い。
省略が多いが、その省略すらも志ん生師匠だから面白いというあたりがあります。
さげも、赤ん坊では後味が悪いと、歌丸師匠風にお内儀さんを投げますが、どんな物でしょう。「頭山」と「後生鰻」は落語には珍しいサゲです。好みと言えば好みですが、ブラックな赤ん坊が信心心をコケにする江戸の笑いでいいと思うんですが。
演題が、落語の舞台を歩くにある噺は、必ずきちんと読みましょう。
金夢 宮戸川
軽妙な処理はいつもながら感心させられます。叔父さんの名前が「呑みこみ久太」は、圓楽さんでしか、でも正統な名前を守っておられました。キズは少ないんですが、半七の父親が伝法な口の利きようで、大店の親父の雰囲気になりません、そこんところよろしく。あと、二階とのやりとりと叔父叔母のカミシモが気になりました。
後生鰻、宮戸川を聞いて思ったのは、口承芸能の口伝の記憶の不確かさです。後生鰻をやる噺家さんも少ないので、「天王橋」なんて消えてなくなってしまうかもしれません、どうでもいいで終わってしまうと、江戸時代の作者の江戸の生活感と云う記憶を失わせてしまいます。宮戸川のお花と半七の実家の商売と屋号など、噺の本筋と関係ないといってしまえば、それまでですが、江戸の遠い記憶を平成で消してしまうのはいかがなものかと、ふと思いました。
舞歌 動物園
「お面〜ん、一本」と云う処でしょうか。
女性の噺家さんは面白くない。噺の継承のスタイルは様々で、全部が文楽、圓生、正蔵の後継者では息が詰まります。歌笑、三平、痴楽の後継者もいてくれると寄席のバライティで楽しめる。歌之介、勢朝、白鳥さんにはもっと頑張って欲しいと願っています。
噺の登場人物を男を女に変えて演じる工夫も見ますが、成功例は少ない、女性の色香を活かした動物園には、まいりました。稀有な成功例かなァ(かなり個人的な意見かも)、「廓の蛍」の創作力からも、噺のリニューアルに面白い力をだすかもしれない。サゲは行き過ぎで、普通のサゲで十分と思います。
恋歌 御神酒徳利
かなり稽古したつもりでした、言葉はすべて出てきましたが、家の稽古の倍以上の声で、体力が切れました。
長いものは、舞台での体力配分を間違えるとえらい事になります。いい教訓でした
。
小圓朝、正蔵に憬れるとどうも抑揚の付け方が要注意、金夢さんの指摘を次回の二七会ではきちんとやろうと思いました。
さて、次回は、5月29日(木)が稽古会です。
お陰さまで、4月、5月、6月とお声を掛けて頂く機会を頂戴して、その高座に向けての稽古だけでも大変ですが、出番確保のための稽古も大事です。
第二部は、皆様ご期待の小三馬シェフのビーフシチュです。誰です、これで稽古がなきゃァ最高だってのァ。
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今年、最後の稽古会です。
恋歌:芝浜 前回の遊月さんの芝浜に続いて、「芝浜」です。杵柄ネタで、学生時代以来46年振りです。
以前は、三木助師匠のそのままに演じていました。三木助師匠没後20年以降、多くの噺家さんが手掛けるようになり、評論家「安藤鶴夫」さんの賞賛する三木助の芝浜を乗り越えようと、百花繚乱の芝浜盛りです。
乗り越えようとするあまり、柵から落ちる芝浜もあり、芝浜を演るには難しい時代です。
もがいた結果、内儀さんの告白・・・この部分が新派お涙頂戴の芝居にならないように、心掛けた積りでしたが、やっぱり指摘を受けました、来年に向けて再検討です。
夏夏:鮑熨斗 甚兵衛さんが与太郎になっているんでは。落語の中では、簡単そうに見えて難しい与太郎で、それ以上に難しいのが甚兵衛さん。甚兵衛さんの人物像に一考。女性が落語を演じるのは、落語200年男性演者のために磨かれてきた噺なので難しいところがあります。本来男性の登場人物を女性に変える手法もありますが、この噺では無理があります。声音で、男女を演じるのは落語では駄目で、男言葉、女言葉や、職業の武士、職人、商人言葉などで人物を演じ分けるの上とされていますので、台本を追い込んでみて下さい。
小三馬:佃祭 1月までの追い込み頑張ってください。前半と後半の比率に一考しては。
金夢:意地比べ 当初、稽古会回避の予定を変更して、稽古参加・・・短時間でよく覚えられる・・・杵柄會では若手の部類で頭の柔軟性が違うんでしょうね。えッ、元の出来が違う・・・失礼しました。
相変わらず、演じない軽妙が、噺を面白く聞きやすいものにしている。はやくどこかで、お客さまを楽しませてほしい。
1月18日、どうです。
舞歌:悋気の独楽 小文枝さんを思い出した。大学の落研は面白いもの、4年の在学期間に前座・二つ目・真打と短時間に成長を見せてくれる(それなりの努力はして貰いますが)。舞歌さんは2年生の筆頭という段階でしょうか。あとは、お客様を前にしての実戦で鍛える事が重要でしょうね。杵柄會の稽古会では、意表をつくような噺、聞いた事の無いくすぐりなど、余程の事が無い限り、反応は期待できないので、難しい状況です。お客様を前にする以上慣れるのが難しい。
男衆の一致団結した反応のバライティ、お調子者のお竹の見え見えのゴマすり、定どんのたくまない正直さの生み出す笑い、頑張ってください。
と、年の瀬に集まれる暇人の稽古会でした。
日田の猪を囲んで年の瀬の稽古会を締めくくりました。
来年も楽しく、がんばりましょう。
で、年明けの稽古会
1月24日(金)15時〜 2月14日出演者は、出し物をお稽古(他でも可)
10月出演者は、なんでもどうぞ。
新年のうたげは、米駒さんが北海道まで出かけて、狩猟者の手伝いをして、かすめ取って来てくれた蝦夷鹿肉と岡山の白石島界隈の養殖牡蠣を予定しています。
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遊月「芝浜」
古今亭系の芝浜。時間を縮めるのに、地語りで行っているが、講談・語りとは違うので、避けたい。
場面転換も噺の面白さと思うので、工夫してほしい。
芝浜の女房の性格・表現の腹を考えて欲しい。三年目の状況は、裏長屋、表店?お酒を買ってあるのは、お金を見せる覚悟があっての事、その辺の演出よろしく。
金夢「芝居の喧嘩」
噺の選択眼はいつもながら感心させられる。
登場人物の名前を覚えるのが噺の見せる上での肝、まァ2,3回やれば大丈夫でしょう。
サゲの前振りも長すぎず、塩梅は上々。
舞歌「片棒」
東京からの移植の噺だが、吝嗇の本場の大阪にしては工夫が足りない原作だなという印象。
口跡は良いのだけれど、テンポのコントロールかな。
枝雀さんという化物がいたけれど、三人息子の性格演じ分けが、江戸落語の「片棒」だけれど、上方言葉のテンポの良い運びは上方落語の面白さなのだけれど、東京人の波長にこの辺が難しい。
戦後の百生さん、その後の小南さん、そして上方から来ている鶴光さんが、純粋な上方落語とは変えた、テンポの話し方をしている事が気に掛る。
三人息子の語り口調を性格に合わせてテンポを変える等、早いテンポの中のスピードの微かな変化など少し工夫をしてみてはいかが。
恋歌「甲府い」
いま関心がもっともある「芝浜」、興味津々の「芝居の喧嘩」、期待の新人の「上方版:片棒」と必死に聞いてくたびれての口演は、自身3席目の落語をしゃべる疲労感があった、次回以降、最初に体力・気力十分なうちに、自分の稽古をしよう。
〔金夢評〕くたびれますよね。ここんとこ、稽古会といいながら結構寸評が淡泊でしたが、今回は気合いが入っていました。遊月さん舞歌さんの熱心さに真摯に答えたからなんでしょう。疲労感からか舌が回っていないところが何カ所かありました。この噺の色のイメージはいぶし銀です。気負いもなくサラッと江戸っ子の人情が出せたらいいですね。
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志っ好:道具屋
明治学院大学落語研究会OB落語会、度胸鍛錬のための稽古で、商楽さんに続いて登場。
昔取った杵柄と言いながら、ブランクの大きさは仕方ありません、これを機会にどうぞお越しください。
固さは溶けるまでは時間がかかります。自宅で録音を聞いて見ると録音の方が良いのです、これは、演者の表情や舞台での姿勢など、目から入る自信の不安げな情報からくるマイナスが影響を与えているんだろうと思います。
どうぞ、当日は相手は素人だと、自信あふれる高座を、ご成功を祈ります。
金夢:紙入
どなたの本だったのでしょう。
素人の紙入は品の無い、嫌らしいものが多く、艶笑落語の傑作だけに取り組む人も多いけれど、艶と品の兼ね合いが難しく、下品な「紙入」が多い。
流石にそこら辺はバランスよく、笑いをとってでした。
小三馬:粗忽長屋
あまねく人口に膾炙されている噺だけにかえって難しい。
まめで粗々っかしいのと、無精で粗々っかしいのを長短ほどでなくとも、もう少し際立たせると面白味を増幅するのでは?
人物の配置を、もう少し丁寧に考えて、又をくぐられた人とくぐった人の前後関係、遺体の頭を抱いてる人と、足を抱いてる人の位置関係等々。
長短を見ているので、いささか荒っぽい・・・もっとも稽古初回ですけど。
夏夏:鮑熨斗
役者さんの一人芝居とは違う落語の雰囲気がよくなっています。先日の杵柄寄席での「厩火事」も大変に評判が良かった。過剰な芝居は、落語らしさを外して臭くなる、その頃合いが、先日の「厩火事」では、落語家が演れない、お崎さんの可愛い女を演じてとても評判が良かった。鮑熨斗のお内儀さんもその延長でそつなく演じていました。
落語の登場人物で、一番解り難くて難しいのが甚兵衛さんかもしれません。馬鹿の与太郎でもなく、単に気が弱いだけでも無く、今時の落語さんで誰の甚兵衛さんが良いのか判りませんが、その頃合いさえ掴めばいいのですが・・・難しい。
恋歌:塩原多助
今年4回目の圓朝もので、過去3回絶句しているので、注意をして稽古をしました。
落語の登場人物の生れ育ち、背景をしっかり腹にいれるのは元よりですが、人情噺となると、その掘り下げはさらに重要になります。
不倫の館と化している塩原家で、分家の太左衛門の駆け引きは演じて気分の良い処です。
稽古のエネルギーが多いので、圓朝の人情噺は少し休みます。
杵柄會のみなさんも、落語愛好家として、いちど勉強してみてはいかがでしょう、「真景累ケ淵」「乳房榎」「安中草三」「業平文治」「粟田口」「名人長二」などなどと山ほどあります。
次回、46回は10月下旬、44,45と土日にやりましたが、今度は平日の予定です。
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夏夏:松山鏡(再演)
お芝居の公演を終えた直後ですから、お休みかなと思ったら、芸の虫。松山鏡を引張り出してお稽古、年齢は詐称してるんじゃないでしょうか。若い。流石に、さらいは不十分。長年の芸の杵柄で通したけれど、言葉のおさらいは不足。座ったままの話芸は、言葉しか無いので、武家、商人、職人、農民その中でも頭になる者から下の者、さらには男女を、それぞれの階層での言葉で表現しているのが少し前の落語です。前回の方が事前の稽古は丁寧でした。意気軒昂、次々と新い噺を聞かせてください。
商楽:厩火事
明治学院大学40周年記念OB落語会を9月に控えて、数十年振りに落語を演じる事となった商楽さん、8年前、追い込まれて落語をやる羽目に追い込まれて稽古した、自分の姿を見る思いでした。楷書で、語り口は落ち着いて(一語一語思い出していたのかな)いて、文楽師匠と云うよりは馬楽師匠(いずれも先代)でした。昔取った杵柄は十二分に感じさせ、場数を踏む、回数を語り込むことで、昔を取り戻せるでしょう。機会は、いつでも、なんとでもしますから、是非。往年の芸を見せて下さい。
金夢:怪談牡丹燈篭 お札はがし
つい、何気なく「お札はがし」やってみようかなと言った一言を恋歌に聞かれ、やることになったお札はがし。丁寧な台本の作りで、山本志丈の手引きで、お露新三郎の出会いの馴初めをサラリ。実に親切。お露の寮を柳原と言ったのは勘違い、柳島です。吟醸さんにも気づかせず、あとの根津の地名は正確でした。カランコロンはあっさりと、伴蔵の恐怖はもっとやってもと思うくらい、上品なお吸い物の味わいで全編を通しました。こういう噺が好きじゃないのは勿体無い。今度は双蝶々雪の子別れを私が覚えて、中の番頭殺しをやって貰おうかな。
恋歌:怪談牡丹燈籠 関口屋の強請
勝手に圓朝年とか理屈をつけて、人の迷惑な噺を一年やろうという図々しい性根で、申し訳ありません。圓生師匠が精査した台本ですが、圓朝全集の本も見比べて少し手をいれました。稽古は万全で、もう原稿の最後の一ページの3分の2を残す所で、稽古でひっかかっていたところは総てクリアして安心したところで、ひっかり無念の討死。圓朝ものは、頭に入っても、腹に収めきらないといけないのが難しい。今年、圓朝年にしたのは正解、これより年を取っては無理、いまでも無理かもしれない。次回の稽古会は7月ですが、杵柄寄席もあるので、8月になります。性懲りもなく8月には「塩原」をまた勉強します。
蝶理:替り目
素人の替り目は、「あぁ、元帳を見られた」で終わり、多くの本職も寄席ではそこで終わりですが、「銚子の替り目」まではお見事でした。稽古会で着物を着るのは所作をしっかりするのが目的です。最近噺家さんの落語教室が花盛り、杵柄會にも花伝亭、参遊亭の教室の方がお二人お出でです。通われているのは長いそうですが噺をやるのは初めてとの事。基本のカミシモを教えて貰ってやりましょう。一人芸で、すべての登場人物を演じるので、登場人物が舞台の何処にいるのかを、お客様にしっかり理解して貰う事が大事です。是非よろしく。
と、稽古会も終わり、小三馬シェフのビーフシチュウに舌鼓を打って、後片付けをしていると、「すいません、見て下さい」と特別番組がはじまりました。
舞歌:鷺取り
口跡、所作、上下いづれも問題なし。上方落語の面白さを存分に。要求は高いレベルになります。稽古会と云う場所は、世界で一番やりにくい高座です。目線の位置がやり難いので仕方ないとして気をつけてください。東京と云う口演の場所を考えて配慮して、演出したものがもう一つ工夫がいりそうです。落語になっているのが凄いね。
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夏夏:たらちね
追い込み不足で、肝心な肝の部分を落したり、らしからぬ演技でした。
言い立ては肝心ですから追い込んでください、肩の力がぬけたいい雰囲気になっています。
本業の芝居の合間で、しっかり仕込んでください。
恋歌:牡丹燈籠 栗橋宿のうち、おみね殺し
難しいのは覚悟の上と稽古しましたが、半端でなかった。芝居に演じては当然だめ。
久蔵、おみねの駆け引き、酒好きの久蔵が五郎八茶碗に4杯のお酒で次第に口が軽くなる、さりげなく聞きだそうとかまをかけるおみね・・・前半だけでも疲れる。
後半、伴蔵・おみねの夫婦喧嘩、いよいよ押し込まれて開き直るまでの伴蔵・おみねの駆け引き、伴蔵の開き直ったあとの駆け引き、ついで、おみねの必死の反撃に、思わず押しとどめようとする伴蔵の悪あがき・・・これが奏して納まってしまえば、殺しまではのんびりたどり着きました。
圓朝の、人間ドラマの面白さは、とても手におえるものではないと判っていても、噺に手を染めた上からは、燈篭に向かうカマキリのならなけりゃしょうがないと云うだけで、はい、ご迷惑様。
金夢:鮫講釈
談志性講釈嗜好病ではないと思うのですが、少し心配。
船中の遣り取りを軽くいなし、五目講釈の言い立てです。
難波戦記がどうして忠臣蔵と思う間もなくトンネルをと、流れる講釈。
ご本人が一番、追い込み不足をお分かりで、ひとつ時間を掛けてよろしく。
次回は5月
今回に続いて、稽古会の後は人気メニューの三連発です。
人気メニューにおぼれずに、稽古に励みましょう。
次回は、商楽さんの「紙入」、蝶里さんの「替り目」が飛び入りの予定です。
恋歌は、引き続き「栗橋宿のうち、関口屋の強請」です。一人気の狂った状態では可哀想と金夢さんが、「お札はがし」を付き合ってくれるかもしれません。
5月の日取りは未定ですが、後半この日は駄目と云う方はお早めにお知らせください。
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つる「はち好」 難しい噺です。復帰2話目としてはきつかったかも。
歌る多、歌丸、権太楼、枝雀さんの「つる」と「寄合酒」「のめる」「死ぬなら今」のVDを作りましたのご覧ください。
地味な笑いなので、はち好さん好みですが、語り込みが浅いので、がんばりましょう。
老婆の戦術「遊月」 老婆の休日の破壊力には及びませんが、素人の新作ですが、磨きをかける事で輝きを増す可能性はありそうです。力で押し切りましたが、語り慣れで良くなりそうです。
塩原・戸田邸「恋歌」 稽古会は初板が多いのですが、ある事情で10日に高座に掛けて、二度目の高座でした。
二度目の安心感で緩んでいました、考えすぎで反省多します。
小三馬「品川心中」 年があける、番頭など言葉使いの誤まりが散見。本番に強い方ですから、しっかり仕込んでください。
金夢「五人廻し」 廓を舞台に振られ男の愛憎を描いた秀作です、五人五様の楽しい演出です。サゲと田舎者の二人の扱いは一考でしょうか?男と女の物語は不変の真実と思いますが、廓という舞台はやはりキツイか。
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金夢 てれすこ 17分
私事で忙しいなかでも、抜かりなく準備。あとは、語り込めば良いのではないでしょうか。(恋歌)
みなさんが真剣に仕込んできているのに、手を抜いているようですいません。お奉行の言葉はいつまでたっても慣れません。(金夢)
はち好 阿武松 15分
40年近い、ブランクでの久々の高座、うるさい目が光る中疲れたことでしょう。
緩急、仕草といろいろありますが、まずは人前で通す事が第一歩。稽古百遍頑張ってください。
学生時代と違って、齢六〇を越えています、人生経験のフィルターで噺を見直せるところです。もとの台本の手入れすべきは手入れし、加除を推敲して、今の自分の台本に磨きましょう。(恋歌)
破天荒な大食漢というのがこの噺のキモです。その部分をさらっとやってしまうと講釈と変わらなくなってしまいます。(金夢)
崇徳院 小三馬 24分
急遽とは思えない入り具合です。ただ、言葉がやはり一部言い違いもありましたが、感想としては、小三馬にとても合った噺だと思いました。息子を案じて心配する旦那、気息奄々の若旦那、大家のおかみさんに燃える女房の色合いを振りかけていただければ良いかと。(恋歌)
死にそうな若旦那が熊さんに話したことで、だんだん元気になること。大旦那は息子が死にそうだと心配してるが、恋煩いだとわかって安心すること。くたびれ果てた熊さんが探していた相手が見つかって興奮すること。そんな登場人物の気持ちの変化が出せたら。(金夢)
はなこ 遊月 23分
だくだく、宗論、老婆の休日と、語りから「もう半分」の遊月さんはどこへ行くのだろうと云う思いもしました。
杵柄会の異色会員の遊月さん、60代半ば近辺のあと何年やれるのかなと思うメンバーからすると、その年齢まで20年近い歳月(それまで続けるかな?)落語を続けられると、年間5本で100本仕込めるのですから、道中楽しみながら、のんびり行けます、羨ましい。
志の輔の「はなこ」、老婆の休日の2匹目の泥鰌というお話ですが、かなり凝った仕込落の噺なので、「老婆…」の二匹目には難しいかも。23分というのもきつそう(昨日の観客なら25分でも30分でもいいのでしょうが)で、源泉滑り台やら、少し贅肉は削って18分くらいにしてもよいのでは?
昨日の稽古の中では完成度ナバーワンでした。(恋歌)
新作や創作の落語を否定するものではありませんが、自作自演の落語は、どうしても作者の色が濃くて抜けきれない。「老婆~」のように自分の色にするといいですね。(金夢)
恋歌 風呂敷 18分
軽い粋な噺を狙いました。まず稽古不足。言葉のこなれがないので、不得手の酔っぱらいはボロボロ…反省です。
遊月さんと違って、あとどのくらいやれるのか分らず、右勝師匠のように我が道を行ききれず、軽い噺もと欲を出して迷っています。
この噺の酔っぱらい、最初はグズグズで、自分の話しはそこそこできて、サゲの所では結構酔っぱらいと云う、落語特有の都合のいい酔っぱらいです。秋風が立ったら、もう一度仕込み直しします。(恋歌)
どうも軽い噺にこだわりがおありのようで。恋歌さんは「中村仲蔵」や「雁風呂」、「水神」、「不幸者」、「肝つぶし」といった気取った(失礼)噺でいいじゃないですか。逆に私はとうに気取った噺は捨てていますよ。とてもニンじゃないと思っていますから。(金夢)
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恋歌:花瓶
●4年くらい前に一度覚えて、稽古会にも出さずにいた噺を、最初から見直して出しました。
文楽師匠のものは、完璧な文楽師匠の間・息で、プロでも上手くいっていない事が多くて、他の師匠の噺は聞きこむのですが、文楽師匠の噺は極力聞かないように稽古します。それでも、浸み込んでいる文楽師匠の間合いは消す事ができません。「よく、まァ、笑いのない噺をやりますねェ」と言われて納得。次はもう少し笑いの取れる「かんしゃく」を稽古してみます。(恋歌)
●「武士の情け」など笑いの少ない噺を選っておやりになる。プロには出来ない。私も出来ない。道具屋の小ずるさと生真面目な武士。これを世話物ではなく落語にするのが難しい。(金夢)
金夢:くしゃみ講釈
●5月末に、明治学院大学落語研究会45周年の大事業に精魂を込めて、すこし稽古不足の「くしゃみ講釈」でした。
のぞきからくりの言い立てで、画面転換のカッターンてのは入れて欲しいと思うんですがどんなものでしょう。
クライマックスは、気力・体力充実が必要、体力のいる噺ですねェ。(恋歌)
●「お寺さんは~駒込~の吉祥寺、あ、カッタン」カッタンいいとしてもこのフレーズはどこからなんでしょう。正調の「八百屋お七」にはありません。以下が正調。
可愛いい吉三さんに逢わりょかと 娘心の一筋に
一把の藁に火を付けて ぽいと投げたが火事となる
誰知るまいと思えども 恋のかなわぬ腹立ちで
釜屋の武兵衛に訴人され まもなくお七は召し取られ
上野の白州に引き出され 一段高いお奉行さん
そちらは十四であろうがな わたしゃ十五で丙午
十四といえば助かるに 十五というた一言で
百日百夜は牢住まい はだかの馬に乗せられて
伝馬町から引き出され 先には制札紙のぼり
罪の次第を書き記し お七を見に出し見物は
あれが八百屋の色娘 吉三ほれるは無理はない
田町、八つ山右に見て 品川表をこえるなら
ここが天下の仕置きばで 鈴が森にと着きにける
二町四面が竹矢来 中に立てたる鉄はしら
花のお七を縛りあげ 千ば万ばの柴茅を
山のごとくに積み上げて 下より一度に火をつける
あついわいな 吉三さん わっとないたる一声が
無情の煙と立ちのぼれば 哀れやこの世の見おさめ 見おさめ
だいいち先代の金馬やいまの権太楼さんのは覗きカラクリの節ではない。今晩会うので当人に聞いてみるかな。機嫌をみながら。この噺はもう少し語り込みがいりますね。(金夢)
恋歌:唐茄子屋
●3年前、吉原田圃まで稽古会にだしました。今回は、達磨横町、田原町、誓願寺店と吉原田圃を抜いて、正蔵師匠の構成に近い形で通してみました。桂文楽全集のなかに「あくまでも落語ですよ」というくだりがあって、最近の噺家さんのものでは、シリアスな新劇ばりの噺が多い。真面目に演じるという事のベースが落語だという事が抜けているという気がします。田原町の江戸っ子は、志ん生師匠の江戸っ子が出色でその息を盗みたいと思うのですが、志ん生師匠は手に負えない。誓願寺から達磨横町へ戻ったあたりで息切れか。(恋歌)
●よい噺をお持ちです。誓願寺店では泣きそうになりました。徳三郎は落語の若旦那の定番ですが、わたしはこの「唐茄子屋」の徳三郎が一番好きですね。遊びがすぎての勘当ですが、そこにすねたり荒んだりしたところがない。まさに純粋培養のお坊ちゃんです。ストーリーのよさに寄り掛かったらダメ。徳三郎の人物を描くのがこの噺のポイントです。(金夢)
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遊月さん 「もと犬」
素人には軽さが難しい、あの重量感のある語りをやる人が軽さも、軽々とやってのけるのは羨ましい。志ん生、柳枝、志ん朝を聞いてもらうと、登場人物への描き訳が整理でいるんじゃないかと思います。
恋歌 「掛取万歳」
去年の伝、狂歌家主、洋服屋(クラシック音楽)、魚屋(喧嘩)、三河屋の番頭(芝居)、八百屋(早慶戦)、三河屋の旦那(万歳)と長かったかな。二七会のお客様なので、ついついサービスしてしまいます。反省。
夏夏 「悋気の火の玉」
演出家も役者もやる夏夏さん、一年前とは雰囲気の違う「悋気の火の玉」聞かせてくれました。素人は、ひとつ仕込むとなかなか変えられないものですが、さすがです。以前のものより格段に良くなって、申し訳ありませんが芝居臭が少なくなって、カリカチュアライズの誇張の面白さが引き立ったと思います。この噺、サゲの「ふん」がいのちなので、仕込みは丁寧に。サゲへの終盤はリズムです、八代目文楽師匠を聞いてみてください。
稔 「マジック」
軽妙な話術で、あれだけの笑いと拍手を取れると、噺に戻れないかもしれませんが・・・・カンバック落語。
金夢 「付き馬」
落語はお客さまと演者のコラボレーションの芸です。二七会のお客さんの反応は最高です。
最高のお客様と絶好調の演者、付き馬に付け入る隙をあたえず、引っ張りまわす主人公を軽やかに楽しげに・・・うらやましい。
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恋歌 「碁泥」
恋歌好み、小圓朝師匠の派手さの無い、江戸前の小品、りきまずサラリとやれたと思いますがいかがなものでしょう。ある程度、碁を知っているお客様でないと解り難い部分もある噺で一般向きではないかもしれません。
金夢 「西行:鼓ケ滝」
西行、出家の発端かと思いましたが、「鼓ケ滝」でした。稽古会には、扱いにくい地噺でしたが、軽やかに。抜いた?、抜かした?ところもあったようですが、これもお客様を掴まえればグイグイ連れて行く噺でしょうね。
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珍太:火炎太鼓
落語歴の長さだけは、仲間内でも屈指の長さ。
姿勢が前かがみで、目線が下にいくので噺に活力がでないので、そこに力を入れて。ウロ覚えで語尾が呑みこまれないように。台本を作らないそうですが、勘所の演出メモはしっかりまとめてください。屋敷で、帰って、50両から300両出されるリアクションは、笑いのキーポイントですから、その辺丁寧に仕掛けた分だけ笑いも取れるので是非よろしく。(恋歌)
遊月:宗論
宗論は、どうやっても面白い。讃美歌の輪唱はケッサク。金夢さんの台本を参考に再構築してみてはいかがでしょう。(恋歌)
「宗論」は作者がわかっている(益田太郎冠者)数少ない古典落語のひとつです。入れ込みは自由ですが、古典落語の基本には忠実に。(金夢)
遊月:長短6分バージョン
某処の落語コンクールで持ち時間が6分という指定だそうで6分、なるほど。
時間をはしょる事はいろいろありますが、時そばでそばを短くすすったりしては噺の味わいがなくなってしまいます。
長短は、長と短の対比の妙ですから、短めの長では、噺の味はでてきません。
おい、いいところへきた美味い菓子があるから食いなよ・・・くらいから入ってみては。
長さんを演じる人の内心が6分で終えなきゃと言う気の持ちようはこの噺を難しくしますね。
短めバージョンの宗論を、本寸法に長くするんですから、傾向と対策で、コンテスト用に短くて、後伸ばせるような噺を今後の対策に仕込んでみたらどうでしょう。(恋歌)
もともと言葉で笑わせる噺ではないので、きっちり仕草を身に付けること。(金夢)
恋歌:文七元結
学生時代に最後にやった噺で、やる機会などない噺です。
落語は、スタジオ録音のものを聞いてももうひとつで、演者と観客の共有する空間芸術・瞬間の芸だと思います
。
杵柄稽古会の観客(=演者、手練れの聞き手)の厳しさ・鋭さは並ではありません。その緊張の前で演じられればと勉強しています。緊張の為、ミスも出ますが、そのミスも見逃されないので辛いですがそれも仕方ありません。
力で押し切るような傾向があって、長尺の噺では息切れしたこともありました。演者が力んでいると聞き手は疲れます。
序破急では、ありませんが、力の入れ所、抜き所を勉強して、演り終えて余裕(?)を残せた、マラソンでゴールに倒れ込むことはありませんでした。6年間の稽古会の精進のお蔭です。(恋歌)
卯兵衛が礼をのべ、
五十両を返し、長兵衛に文七の親代わりを頼み、
お久が帰ってくるところは、どんな方が演じても不覚にも泣いてしまう得な噺です。学生時代にやっていたというのがスゴイね。(金夢)
バトルロイヤル風間:紙芝居対談大山康雄
興味深い出し物で、聴衆の環境が最悪のなかでお疲れ様でした。
当日のお客様には大うけするんじゃないでしょうか。(恋歌)
寄席っぽくていいですね。ホールにあえばいいんですが。(金夢)
夏夏:死神
前回の稽古会からは、余裕でした。初めて稽古会に来た頃の、芝居の香プンプンからは、どっと香りが落ちて落語の雰囲気です。経験豊かなアナウサーや、演劇人の朗読・ナレーションでさすがの方々でも、落語口調というのは難しいようです。死神の杖のあしらいなど、素人落語の手練れでも所作が下手で惜しい人がいますが、演劇人のベテラン、卒なくこなされていました。25日の杵柄寄席、トリをよろしくお願いします。(恋歌)
2ヶ月ですごくよくなりました。さすがです。40年やっても相変わらずという方もいますからね。落語口調、落語の雰囲気というのは慣れです。たくさん観て聴くしかありません。(金夢)
小三馬:金名竹
小三馬さんが金名竹でエントリーした段階で、「60過ぎて良くやるね、言い立ては若い頃の仕込だよ」という指摘がありましたが、モロ指摘にはまりました。ご本人いわく「けさはちゃんと出来た」そうなんです、自宅や、他のお客様のところでできても、稽古会会場に漂う雰囲気が甘くないんです。11月末の二七会の金名竹、よろしくお願いします。(恋歌)
4度目の「わて中橋の加賀屋佐吉~」は本当に早口言葉になります。頭で覚えていて次の言葉を探していては出来ません。あと1ヶ月復唱しまくりましょう。ボケ防止のために。(金夢)
金夢:代書屋
プロでも軽い噺を軽くできない人が多いんですが、軽妙洒脱はこの人にしみ込んでるんでしょうね。持って生まれた天分ですかね。代書屋と依頼人の掛け合いは、むかしのいとしこいしの漫才の気持ちいい掛け合いを聞くようで楽しかった。(恋歌)
多くの方は「代筆屋」としてやっていることがわかりました。わたしもこの噺をやる前まではそう思っていました。どんなことでも調べるということを恋歌さんから教わって、すでに身に付いていますが、当時の「代書屋」の実態を知ることが出来ました。(金夢)
恋歌:代書屋下
余分、蛇足。代書屋と言う噺は、代書屋と依頼人のモロモロで終わるものと信じて、不勉強にも知りませんでした。四代目米団治の作で、米団治自身が代書屋を兼業でやっていて、その体験を生かしての創作落語であるとは聞いていました。そのお弟子さんの米朝さんが、師匠の33回忌の落語会でやった、速記を読んでビックリ。その米朝さんから教わってやった談志さんの代書屋を教えて貰って、また、びっくり。
落語は、その時代のタイムカプセル、その時代の風俗、習慣、歴史的事実を残しています。
後半は、差別用語の使用禁止など、過敏なご時世に演じる事は難しい噺ですが、サゲのおもしろさもあって、3週間で予習したものを、代書屋ってこんな後半があるという紹介でした。(恋歌)
ホントにやるとは思いませんでした。(金夢)
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芝楽 万両婿
圓生師匠で聞いた「小間物屋政談」。
「梅翁随筆」という寛政年間の見聞巷談を筆録したものに、実話として記録があり、商売は小間物屋ではなく、材木商である。この話を下敷きに、落語が出来、後に講談になり、講談から圓生師匠が小間物屋政談、正雀さんが万両婿として、ふたたび落語として演じられているようです。実録は、戻った男は、隠居すると言うものですが、大岡裁きになっていて、落語的には「小間物屋政談」が外題としては良いように思われますが・・・。
元の本が解りませんが、講談の本のようで、筋を説明する冗長さがあります。一度、圓生全集別巻の中を見てはいかがでしょうか。死体の確認などあっさりと、それでいて間違いが起こるような見聞がしっかりしています。
小四郎が戻っての幽霊騒ぎ、そして裁きをしっかり組立てた方がと思います。
芝楽さんの口跡の素晴らしさは、長年の芸歴が物語る、余人の追随を許さぬ素晴らしいものがありますが、惜しいのは仕草です。仕草をみていると素人さんだなと一見して思われてしまいます。
杵柄會の稽古会、最初は洋服姿でやっていましたが、着物の所作をしっかり確認するために、有る時から着物で稽古するようにしました。どうぞ、語り口の素晴らしさを、更に輝かせるために、ゆとりの所作・仕草をお願いします。(恋歌)
小四郎27歳、お時25歳、甚兵衛27歳、およし21歳、従兄26歳の名はなんでしたっけと若い人たちが主役の噺です。芝楽さんのは四十代の男女のようです。もう少し若さを強調したほうがいいと思う。(金夢)
夏夏 死神
圓生師匠の本を、短めに料理されていますが、斬っては勿体無いところまで斬ってはと思います。
プロの役者さんで、プロの演出家ですから、申し上げる事はありません。
最初のころは、芝居のアクの強さに驚かされましたが、最近では随分変わって来ました。
明治、大正の名人伝説に、カミシモで顔を左右に動かすのさえ、目線がわずかに左右に動く程度で、男・女、身分までを観客に伝えたという話が伝わっています。江戸・明治の寄席は、せいぜい4,50人のお客を前にしていたので、現在のような200~400という器で演じるのとは、当然違っていたのでしょうが、昭和の名人、文楽・志ん生・圓生・正蔵・小さんでも、高座での動きは少なかった。
まァ、落語の面白さも十二分にご承知の夏夏さん、源氏物語の舞台のお芝居の雰囲気でひとつ、お願いします。(恋歌)
地下に入っていくラストシーンは十分に雰囲気をかもしだしましょう。なんなら本番では暗くしてスポットを当ててもいいですよ。(金夢)
金夢 付き馬
いい噺を選ぶ。人にあった噺です。
好きな噺と、その演者の人柄にあった噺は別物で、ミスマッチは不孝ですが、金夢さんの選択は毎度のことながらお見事。居残り佐平次、鰻の幇間など、個性豊かな登場人物を金夢さんの個性で消化して、金夢落語として聞かせてくれる。
小道具の使い場所について。
風呂上りを示す手拭い使いと、早桶屋の親父が煙管を使いながら付き馬の男と話をするとか、さりげない所作を追加して、情緒をアップして貰いたい。(恋歌)
男は根っからの遊び人です。昔はこういう男がいたんでしょうね。遊び人は幇間じゃない。だから若い衆をリードしていくんです。きっとどこかでこの騙しが破綻したら「シャレだよ」とか何とか言って勘定を払うんじゃないかと思っています。いや、もしかしたらあとで払いに行くのかも。そうしないと、吉原で遊べなくなっちゃいます。(金夢)
恋歌 蛇含草
杵柄會稽古40本目の根多です。次回の稽古会は66歳の誕生日で、素敵な仲間とここまでやってこれた事に感謝です。
これからは、噺を増やすことは、少し押さえて、これまでの根多に磨きをかける方向で、稽古会に臨もうかななどと考えています。ただ、やりたい噺の在庫が10本近くありますので、ここ2年くらいで勉強していきたいものだと思っています。
大物噺ばかりでは、大事な仲間に迷惑をかけるので、今回は、三木助師匠の独特のクスグリたっぷりで、仕方噺の「蛇含草」を勉強してみました。音源がなく、直弟子の七代目柳橋さんの「蛇含草」の記憶頼りでしたが、三木助全集が出て、ラジオ放送での途中までの音源が出て、懐かしく、しっかり聴かせていただきました。
満腹の姿勢、ご指摘の通りに。
餅を食べる曲芸の「運動会はブランコの餅」・・・これは、三木助、圓生、正蔵、小圓朝師匠の台本には、かなり盲信状態で、指摘を受けるまで全くの疑念を持ちませんでした、「公園はブランコの餅」とでもしようかと思います。(恋歌)
極端な誇張もない、それでいて落語らしいという恋歌さん好みの噺。ただ、もう少し餅を食べるシーンは誇張してもいいのではと思ったりしています。やらないでしょうけど。(金夢)
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小三馬:宿屋の富
古今亭や、小さん、三木助など楽しく聴かせてもらった噺です。
志ん生・馬生師匠が25~30分、志ん朝師匠35分、三木助師匠が20~35分。
前半、旅人がいかにお金持ちかとホラを吹きまくるところ、後半、境内で当ったらどうするかでワイワイやるところ、旅人が当たってドギマギ、そして宿屋の主が当りを見てサゲへの一瀉千里、笑う処は盛りだくさん。ただ下手するとダレるので、その辺が注意のしどころ。
志ん朝師匠がベース。覚えきれてないと言う前振りは、嘘で、快調に、手抜きなしに32分。儲け所を省略無しにやっています。志ん生師匠の短いバージョンを参考に少し、摘んでみて、22,3~30分と調整してもらうと、出番が増えそう。
全体に噺のテンションが高いのが、小三馬さんの人にあっていて、仕上げていくと面白くなりますね。
金夢:恐い恐い
九代目の留さんの文治さんが、寄席でよくやっていた「饅頭怖い」の前半。それに「狐つき」と「炬燵の怪談」がついて、関西風の噺。ダレそうな噺ですですが、手練れは巧みにこなしています。後半は、演者が楽しめるところ。
遊月:もう半分
落語を始めて日の浅い人がやる噺ではありませんが、「語り」の手者は、さらりとやってのけます。
下敷きは、小三治師匠だそうですが、馬生・今輔師匠の噺しか聞いていないので、少し趣が違います。小三治師匠の語り風の落語に惚れこんでとのこと。
小三治師匠の語り風の落語を語りのプロがやるので濃密な演出になります。馬生・今輔師匠の噺は聞いた事がないというので、一度聞いてもらいましょう。落語の仕草の約束事でお酒を呑む仕草で、五郎八茶碗で呑むところをご注意。
後味の悪い噺なので、酒屋の夫婦の出来心、お金故に眼がくらんでしまったあたりを、演者の腹にしっかり演出しないと、ただただ後味が悪くなるので、「語り」の手者、そこん処よろしく。
〔以上、恋歌評。(HPに載せることを意識してかいつもより切っ先が鈍っています(金夢)〕
恋歌:藁人形
偶然、「もう半分」、「藁人形」と怪奇噺が続きました。
初代圓右の「藁人形」が有名で、それを聞いた五代目今輔、八代目正蔵が継いでやっていました。
怪奇色を色濃くした、今輔師匠の系統の演出が多い昨今、人情落語の正蔵師匠の演出で怪奇色の少ない落語にできていればよかったのですが、さて?
〔上記は恋歌さんの解説です〕
笑いのない噺をよってやっているような昨今です。好きな噺を思う存分やりたいという、達観というのでしょうか。なかなかそこまでは噺家でも到達できません。ただその好きな噺に寄り掛かりすぎて、聞き手をおいてきぼりにする傾向があります。場面、人物の描写は丁寧に。〔金夢〕
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シェフの大活躍のビーフシチューは前回についでおお盛り上がりで楽しいひとときでした。
次々回には、再び、シェフに腕を奮って貰いたいと考えていますが、9月だと「仙台の出し物」の仕上げの時期でしょうか。
第二部の始まりは、現代の時計区分でなく、江戸の時刻区分の日暮れからにしようかなと思います。
さて、昨日は稽古会お疲れ様でした。
遊月さん、私の変換辞書の登録はゆうげつになっているので、ゆうづきに登録をしなおさないと・・・
落語を始めて、3~4年で、「もう半分」、「鰍沢」を演るという、杵柄會の女性陣は下敷きがあり、油断も隙もなさそうなので、稽古会の前に内緒で、「語り」を見せていただきました。沼田曜一さんの語り教室で、磨いた「語り」は素晴しいもので、良いものを聞かせていただきました。これなら、「もう半分」、「鰍沢」はいけそうだけど、果たして落語だったろうかという、素朴な疑問も湧いてきました。いずれ、「もう半分」聞かせてください。
典型的な落語「やかん」は、楷書も楷書のものでした。草書の金夢さんはやりませんね、また、やるとすれば相当工夫が入りそうです。語りに笑いが入るものもあるでしょうが、多くはないのでしょうね、あってもすこし、クスリというものでしょうね。それと、何をいうかわからないオジサン達の前での初高座の緊張は見て取れました。それを割り引いても、笑う側の間がとれていない・・・語りの間かなと感じました。とにかく「やかん」なんかで笑う人はいない環境ですからたいへんですよね、志ん女・金夢・恋歌の三人で始めたときなんかシーンとして、笑いは絶対ない、それは疲れる環境だったんですが、慣れは必要です。まァ、楽しみにおいでください。小三馬さんなどは苦痛を楽しんで二部で解放しておられます。
正攻法の楷書の落語です。でも笑いを多くもらいたいのが落語です。すこし殻を壊すだけで豹変するでしょう。
落語教室の9月の会のトリでの出し物、「化物使い」「位牌屋」など想定していましたが、「化物使い」はモロ語りの延長線です、草書を大胆に学んではと思います。
金夢さん、「ぜんざい公社」なんかどうでしょう。遊月さんに、これをという出し物の推薦があれば着手の都合もあり至急に連絡ください。それにしても、野田に親戚がなくても下地のある方は凄い。
芝楽さん「普段の袴」まァ、頼んだほうも頼んだ奴ですが、やる方もやる奴で・・・・
でも、正蔵、小さん、芝楽と噺は引き継がれています。あと望まれるのは武士の品格でしょうね。長屋のガサツ者との対比が、この噺のポイントでしょう。倍蔵さんから煙管の持ち方の疑問が呈されましたが、着眼点は鋭いですね。
夏夏さん「たぬき」 一芸をもつ方の凄さ、こなし(消化)方は、感心させられます。
「悋気の火の玉」の演出には勉強させられました。ただ、力はあるの方なので、声の演技、仕草の演技をいまの半分に抑えても十分ではないかという気がします。
明治の伝説の名人は、顔のカミシモを左右30度以内で、声音は変えず、言葉遣いで人物を演じ分けたという話がつたわっています。明治の色濃く残した小圓朝師匠あたりが、その系統の最後の噺家さんだったかもしれません。
狭い高座と、広い舞台の違いがあるんでしょうね。
恋歌 「子別れ」 夏夏、志ん女、小三馬さんに加えて、はち好さんも持ちネタだったんですね。4人を前には図々しかったと反省しています。当初4月の稽古会の予定が5月に延びて安心しすぎました。次回は、金夢さんと「髪結新三」上下の通しなので気合を入れて稽古してお願いします。
金夢 「二番煎じ」
オーバーワークと身体のトラブルでボロボロ。本日の稽古はどうなるか分かりませんが2時過ぎには伺います。
と、当日朝、メールがあり、どうなることかと心配しましたが、粗い出来ではありましたが、まぁブラシュアップのポイントは押えられたでしょうから、6ヶ月くらいおいて熟成させたのが楽しみです。
一度トライしてダメでも、しばらくして勉強しなおすといい物もあります。最初の稽古には力の入りすぎ、気持ちの入りすぎが往々にしてあります。中には、惚れた噺でもどうしてもあわないものもあります、悔しいんですけどね。
次回は、七月中下旬です。
稽古ネタご用意ください。
私事ですが、今年は仕込みネタが用意できているので、新しいものを勉強しようと思っていますが、来年は、最初の頃の稽古会で勉強したネタのおさらいを半分はしようかなと考えています。また、会に出演前に、ブラシュアップなど、稽古会をご利用ください。
三人でひっそりと始った稽古会ですが、多くの参加をいただきありがとうございます。
食卓を高座にすることは抵抗もありましたが、秘密裏に入手された高級食卓は、もうせんを敷くと最高の高座になり、見学席も十二分に確保されました。次回は夏場なので、ねずみ色の毛氈でごらんいただきます。
次回は、志ん女特製餃子と中華2品を第二部で予定しております。お楽しみに。
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杵柄會、稽古会お疲れ様でした。
思えば、落語復帰を目指す、金夢・恋歌の稽古を見ようと志ん女亭で始った稽古会も4年で23回を終えることができました。ギャラリーで常連の志んグルさん・砥六さんが加わり、不思議なご縁で、小三馬さん・まりもさん・芝楽さん・夏夏さんが参加。都笑亭席亭・吟醸館主・日立寄席席亭はじめ多くの参加者が増えて、昨夜は、参遊亭遊月さん、こんぶ亭さんも加わり楽しいひと時を過すことができました。有難う御座います。
恋歌:水神
前座の大役に渾身の一席でした、12月の反省から語りこみは十分に時間をかけました。スイマセンでした。
芝楽:佐野山
山のような杵柄ネタの在庫を持ちながら、新ネタへの取り組みの意欲、恐れ入りました。杵柄ネタでないぶん、慣れから来る唄い調子がなく、芝楽調子がでて、いいなと思いました。地噺ですから、楽しい語りの緩、筋目の語りの急の緩急が命です。大一番の谷風・佐野山の取り組みの急を4月までに少しお稽古いただければ完ですね。
金夢:がまの油
噺家さんでは聞いたことの無い「純正がまの油」の言い立ては、下調べから言い立てまでお見事。実に面白かった。落語家の省略は、落語の構成に納得ですが、完全版の言い立てのほうが、面白いと感じました(初物への感動かも知れないので引き続き注目していきたいと思います)。力の入った前半で、身内の気楽さで後半ゆるみましたが、本番は心配なしと見ました。
小三馬:湯屋番
さすが杵柄ネタで、本人は緊張したと言っていましたが、杵柄稽古会も2年、昨日の鮟鱇並みに肝も肥ったのではないでしょうか? 棟梁や湯屋の親父との会話は問題なく、番台周りの舞台設定に要注意。湯屋番の眼目、番台の若旦那と風呂の若い衆との場面転換のところよろしく
4月から、当分料理番がかわりますので、たまにはマジック以外も、そろそろ、なんとか、是非、無理にでも、其処を押して「落語」をお願いしますよ。
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昨日はお疲れ様でした。
芝楽さん:錦の袈裟
後半噺の記憶がやや、不正確になってきたようなきがします。昔取った杵柄は、いいところ、悪いところ、両方あります、2月の会は新ネタで臨まれるなんていかがですか?
金夢さん:鰻の幇間
金夢さんの軽い味は、素人落語家の一番出せないところを、すらすらとやってしまうあたりは、うらやましいですね。まいど、緻密な台本はいいですね。いい台本があって、いい芝居でしょうね。
夏江さん:悋気の火の玉
女性落語はプロの世界でも?の世界です。まれによいものがあるのですが、歌舞伎と宝塚でしょうか、男の女形は違和感を感じないように慣らされていて、男装の麗人には少し違和感が残る、そんなところなんでしょうか。忠実に古典落語を演じる手もありますが、舞台演出を手がける、夏江演出の落語は興味津々。真言を唱えたり、南無阿弥陀仏を唱えながらの釘打ちは抱腹絶倒です。丑の刻参りは、仏教行事ではないので、念仏・題目を唱えることはないと、固い事をいえばそれまでですが、いままで、あァ言う演出がなかったところへ新風は興味深々。
恋歌:高砂や、火事息子
最後の追い込みの稽古が甘かった。杵柄ネタの悪いところが(安易になりがち)出た。猛省。
高砂やは、自宅では完璧と思っていたのですが、杵柄稽古会の恐さです。それと、志ん女さん、次回、鮟鱇鍋お願いできるでしょうか、料理の下拵えと稽古の二足の草鞋は、どうも。出汁作りと、アンコウの湯通しは手伝います。
小三馬さん、2月は、「ねずみ」を載せてはいかがですか?あるいは、新ネタ?・・・よろしくお願いします。
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昔取った杵柄、腕に磨きをかけ、文楽、圓生、正蔵を生で見た残像をいくばくでも反映して伝えられたらと思います。
金夢さん 本番は強いですね、杵柄寄席のDVDを見ながらしみじみと思いました、手達れ、達者、見事。
「花見小僧」をよく、あんなに短期間で仕上げるものだと感心しました。
本も細部まで気配ってあって、もぐさが、矢立用にあるとか、ご先祖様には聞かせたくないから仏壇を締めておいてくれとか、今時の噺家なら削ってしまいそうな燈篭の苔もきちんと残されていいなァと思いました。
短くするなら吟醸さんの言われる通り番頭さんとのやりとりを、超圧縮「じゃ、番頭さん、おせつと徳三郎が怪しいというのかい、去年の花見の事を定吉を問いただす、うんうん、やどりを無くす、逆にやどりに小遣いを、うんうん分かった、じゃぁねェ、隣にいてくらるかい・・・」で、ここの料理の仕方は金夢さんの腕におまかせです。
ただこの、旦那と番頭のやりとりは、「いい仲、と仲の良い」の区別に疎い、好人物の旦那の姿を浮き彫りにする大事なところです、後段、定吉を呼んで追求するのも、脇の甘いところがあって、事の真相が見え初めて怒るというので、あまり最初は怒らないようにしていただきたいものです。
帳場の一朱で「帰りが遅くなる」という科白は?
去年の三月、旧暦ですから、今の4月で花見は好いのだと思いますが、確かに分かりにくさや、誤解の元になりそうで、「去年の春」というのもありでしょう。去年の3月14日松の廊下の・・・のクスグリはそのままで良いでしょうし、浅野匠守の辞世「風さそう花よりもなお我もまた花の便りを如何にとやせん」も花は桜です。
桟橋の渡り板ですが、新大橋、永代橋の辺で干満の差は1メートルくらいあります。竹屋の渡しあたりでも干満の差は50センチ以上あると思います。また、川は、上流の水の増減で水位は変化します。浮き桟橋ではありませんから、渡り板は、ごく自然だと思います。
鎌をかけたり、飴をしゃぶらせたりも、あまり手馴れていない、初心な感じが大事と思います。
小三馬さん 狸賽 志ん女さんも談志の狸賽ですが、本があれば、添付ファイルで小三馬さんに送ってあげてください。口跡はよいので、杵柄寄席の禁酒番屋などよかったと思います。
軽い噺の狸賽などは、テンション下げてゆったり運んではと思いますが、稽古会の性格で、緊張感のなせる技でしょうか?
声がおおきいのは、声の出ないものからすれば羨ましいポテンシャルです。声をすこしひそめて「おい、二だよ、二」とやることで、お客は耳を傾ける。小さな声の人ではできない技です。ボリュームの上げ下げで噺の味わいはぐんと拡がるはずです。
芝楽さん 酢豆腐 口跡の良さは、小三馬さんといい、昔鳴らした腕の冴えでしょうね。
そこまで、こなせると要求はエスカレートしますよね。
寄合酒、饅頭恐いなど、登場人物の多い噺は、役者の配置が存外難しく、腕達者の腕の見せ所ですよね。
狂言回しの兄ィと、半ちゃんから香のものの代金をせしめる男、若旦那に酢豆腐を食わせる男は、演じ分けて欲しいところです。
芝楽さんには、ウルトラCは当然で、D難度、E難度をこなしていただかないと、よろしくお願いします。
志ん女さんを加えて、五人五様の個性があって、似たような人が並ばずにすみます。有難いことで、今後とも稽古会で研鑽いたしましょう。
10月は、
仙台公演を控えた小三馬さん・・・子別れ(小三治)
12月公演を控えた志ん女さん・・濱野矩髄(志ん朝)
鰻屋に売り込みの金夢さん・・・・鰻の幇間
あてはありません恋歌・・・・・・無精床(圓生)
なにがでるか楽しみな芝楽さん・・?
と云う事で、料理は如何しましょう?